今ほどミドル人材が必要とされている時代はない

かつては35歳を超えると転職は厳しいと言われましたが、現在は事情が変わってきました。35歳から45歳辺りのミドル人材の求人が増えているのです。これには育成に手間がかかる若年層よりも、ミドル人材が求められるようになってきたといったことも含めて、いくつかの理由が考えられます。

就職氷河期でミドル層が薄くなっている

現在のミドル人材はちょうど就職氷河期に辺り、この層が薄くなっています。就職氷河期とは主に1993年から2005年に新卒として就職活動を行った世代のことです。バブルが崩壊したことによりこの時期の新卒採用は冷え込みました。

そのためミドル人材が少なく、その年齢層だけへこんでいる「ひょうたん型」になっている企業は少なくありません。
ひょうたん形では中間の人材が少ないため、トップと若手の意思疎通に支障が出ることがよくあるのです。若手に目が行き届かず、育成に支障をきたす例もあります。そこで上下の間を持つミドル人材が必要とされるのです。

経験を積んだ即戦力が欲しい

日本商工会議所が全国の中小企業4072社に求める人材についてアンケートしたところ、ミドル人材が不足していると答えた企業は67.9%にも上りました。一定の経験を積んだミドル人材は、どの企業でも不足しています。この層は厳しい就職氷河期を勝ち残った少数精鋭で、能力が高いということもあって引っ張りだこになるのです。

また労働移動支援助成金(再就職支援奨励金)が拡充されており、これもミドル人材の流動化を後押ししています。これは事業の縮小などに伴って離職を余儀なくされる労働者に、再就職のための措置を講じる事業主に助成金が支給される制度です。

少子高齢化で若手も減っている

今後人口が減ることが予測されており、この傾向は続くでしょう。少子高齢化で若手社員が減っているのです。35歳を過ぎると転職が難しいと言われていましたが、人手不足で年齢だけで判断することは得策ではなくなったのです。某大手牛丼店が深夜営業の休止に追い込まれたのは記憶に新しいところです。正社員、非正社員ともに不足していると感じている企業は少なくありません。そこで、それを補うためにミドル人材の採用が増えているのです。

まとめ

ミドル人材を採用しようとする企業は増えてきました。人手不足やこの層が特に薄くなっている事情が影響しています。また即戦力が欲しいといったことも理由です。少子高齢化で人口が減少することを考えれば、ミドル人材を必要とする企業は今後も増加するものと予想されます。

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