グーグル人事担当者の著書ワーク・ルールズ!に学ぶ採用面接。
グーグルでは論理的な採用方法を採っている
1998年に誕生したグーグルはすさまじい勢いで成長し、今や世界のネットビジネスをリードする会社になりました。グーグルには世界のトップレベルの人材が集まっているのはもちろんですが、採用の方法も実に論理的なものです。
通常、企業の採用面接では対話の中で相手の考え方を判断しますが、グーグルはそのようなことはしません。ある人事採用担当者は、それぞれの職種に合った体系的な質問をするべきだと述べています。
ワーク・ルールズによる優秀な人材を獲得する採用面接とは
グーグルの人事担当者が2013年にそれまでの自らの採用方法を否定し世界中を驚かせた経緯があります。
採用面接は、論理パズルやフェルミ推定(例:航空機の中にゴルフボールを幾つ詰められるか)など難しすぎる試験をすることで有名で、実際に採用面接を受けた人からの批判もありました。この反省を生かし、その面接方法はやめたようです。ではどのように行っているのでしょうか。
ここに一冊の本があります。グーグルの人事担当者が書いたワーク・ルールズという本です。これによるとグーグルでは採用に際し、自分より優れた部分のある人物を採用すること、優秀な人材を獲得するためには時間を惜しまないことが大切なのだと書かれています。
また採用面接ではその人物が力を発揮するかどうか見極めるためにどのような面接が有効なのかを検討しています。個人の主観により評価が左右されることのないよう客観的な方法が模索されてきたのです。現在、過去の膨大な雇用のデータを載せた論文を参考にし、知能テストと実際の業務テスト、構造的面接(質問や評価基準を前もって決め評価者によって評価のばらつきを抑える面接のこと)などを組み合わせることで効果的な面接ができるとしています。
質問リストも職種別に分けられ、数々のパターンを用意しています。採用に関しては社に関わる重要な行事と位置付け人事担当者の好みや主観を廃し社員全員が同じ基準で採用できるように工夫されているのです。
フェルミ推定や奇をてらった質問では思ったような人材を獲得できませんでした。そこでワーク・ルールズに書かれているような複数の面接手法を組み合わせることで優秀な人材を獲得するようになったのです。
人事担当者に役立つ採用面接の質問とは
グーグルは大企業であり同じような採用面接は難しいと思う人のために、アメリカの退役軍人省のWebサイトを参考にしてみましょう。
ここには兵役を終えた人が一般企業に就職するための「質問予想リスト」が掲載されています。
いくつかご紹介しましょう。
- 「あなたのアイデアを誰も聞き入れてくれなかったとき、あなたはどう対応しましたか」
- 「あなたが監督している現場の部下たちに意思決定の許可を与える時、どのようなことに気をつけていますか」
- 「会社のリストラによって自分に仕事が回ってきたとき、同僚たちに手伝ってもらいましたか。その時はどのように頼みましたか」
- 「なかなか指示通りに動いてくれない部下にはどう接していますか」
- 「あなたが自分の組織を守らねばならなかったとき、どのように動きましたか。またその結果は部下たちに評価されましたか」
- 「あなたのおかげで職場の成績が上がったときについてです。具体的にどのような提案をしましたか。そしてその実績は社内・社外からどう受け止められましたか」
ここに掲載したものはほんの一部ですが、クオリティが高いものばかりです。また同じスキルでも階級によって質問内容が異なるのも面白いと思います。
まとめ
グーグルも最初から完璧な採用面接が出来ていたわけではありません。ある人事担当者も「奇抜な質問をするのは時間の無駄だった」と語るくらいです。様々な採用方法を実践し、良くない部分については反省をして改善する。
意外と普通の企業の一面を持っているのかもしれません。いかに論理的かつ体系的に進めるのかが大切だということを学んだような気がします。
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