非正規社員の教育がカギを握る
近年の日本は労働者に対する非正規雇用の割合が増えています。それに伴って「労働の質」の低下が懸念されます。というのも、正社員に対してはOJTとOff-JTが出来ているのですが、非正規の方にはほとんど出来ていません。そこで今回は非正規社員の教育における現状と課題についてお話しします。
圧倒的に少ない非正規の教育
厚生労働省が発表しているデータを分析すると、2011年の段階で正社員の約6割がOJTとOff-JTの訓練を受けているのですが、非正規の方はその半分、3割程度しか教育を受けられていません。
規模の大きい企業や非正規社員を多く雇っている企業は、非正規の方への教育に熱心なのですが、他の企業(主に建設・運輸業)は「教育しても無駄だ」と考える傾向にあります。また、経済的に余裕のない企業も教育には消極的です。
‘人’にも課題あり
それぞれの企業に教育面での課題がありますが、社員本人や上層部にも原因が見られます。現代は人材難の時代ですから、指導する人材が不足しているという問題が挙げられます。特に「団塊の世代」の引退が大きく響いており、育成のノウハウを持った方が減っているという深刻な状況に陥っています。
そしてもう一つ問題なのは、「教育を受ける本人側の問題」です。最近は入社してもすぐに辞める若者が多いですが、これでは育成しても効果が得られません。また、社員自身のスキルが低く、「期待に応えてくれない」場合も多いようです。「ゆとり世代」という言葉がありますが、やはり「ゆとり教育は失敗」でしたね。海外はどんどん優秀な人が育っているのに…。寂しいです(泣)
非正規のキャリアアップを
この問題を解決する一番の手は「正社員への登用」です。しかし、なかなか正社員になりたいという人が少ないのが現状です。そこで非正規のままで教育をする方法を考えなければなりません。
ここで登場するのが、厚生労働省が勧めている「キャリアアップ助成金制度」です。
この制度を使うことで‘働きながらスキルを上げる’ことが出来るのです。育成している間の賃金も厚生労働省が面倒を見てくれますし(全額とは限りませんが)、しっかりとした育成プログラムが整っているのでまさに‘一石二鳥’です。ぜひ活用することをお勧めします。
まとめ
これからも非正規労働者が増えると考えられます。特に若い方についてはスキルが低く、厳しい表現を使うと生産性を下げる要因になっています。そこで「キャリアアップ助成金制度」を利用し、非正規の方でもOJTやOff-JTといった教育を受けられるようにしていきたいものですね。
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