’保身’が組織を潰す

企業が成長するには有能な管理職が必要です。リーダーシップを発揮し、時には自己犠牲を払って部下を守らなければいけません。しかし、人間はついつい‘保身’に走ってしまうものです。しかし、管理職の方が保身に走ると企業の成長は見込めません。それどころか存続さえ危ぶまれます。その理由と保身から抜け出す方法について考えてみます。

保身その1 ~権限委譲をしない~

保身の具体例ですが、まずは部下に自分の仕事を任せられない管理職の方がいます。「自分はまだまだ出来る」「部下に頼っている姿を見られたくない(恥ずかしい)」といったプライドが権限委譲を拒んでいるのでしょう。しかし、いつまでも自分の仕事を抱え込んでは管理職本来の仕事が出来ませんし、仕事が回ってこない部下も成長の機会が限られてしまいます。

「難しい仕事もあるからねぇ~」という方もいますが、難しい仕事も細分化したら結構簡単に出来るものなのです。その「簡単にする作業」も管理職だからこそ出来る仕事です。部下の成長が鈍れば組織全体の力も落ちてきます。見栄を張るのは企業にとってマイナスになります。

保身その2 ~そもそも部下を育てない~

これはかなりの問題ですが、自分が良い成績を残すために部下の成長をあえて止めるという‘策略’に出る人がいます。ライバルが出現すれば「一番」の地位は揺らぎますので、ライバルを作らないという‘ずるい’作戦ですね。管理職の方が自分のことしか頭にないようでは困ります。「1位で安泰」という考え方は捨てるべきです。

またこの考え方は、先の「権限委譲の拒否」にもつながります。「いやぁ~、部下が思うように育っとらんのでね。私しかやる人がいないんだよ」と言えばいいわけですから。ここまで来れば職場はガタガタになっているかもしれませんね。組織力が弱まり、企業の存続にも関わってきます。

自分の弱さを克服する

このような事態が起こるのも、一番から転落するのを恐れているからです。人間は一番になると今度はそれを守ることに必死になってしまいます。「2位じゃダメなんですか?」と言った人がいますが、2位に転落すること自体が‘恐怖’なのでしょう。

しかし、気付いてほしいのです。「あの人、器が小さいな」と思われていることを。上の立場の人は常に見られていますから、自分を守るような行動なんてすぐにバレてしまいます。その結果部下からの信用を無くし、求心力が低下してしまうのです。

これを改善するにはまず自分の弱さを自覚し、それを克服するよう努めなければなりません。そして企業の未来のために何が出来るのかを考えるのです。そうすれば自ずと「部下を成長させなければ」と思うはずです。そして相手を信頼し、仕事を少しずつ与えてきましょう。その方が部下から慕われますし、企業も成長します。

まとめ

ここまで保身に走る人は少ないと思いますが、トップから転落するのを恐れている人は一定数いるような感じがします。その思いを捨て、「組織全体を考えられる人が一番なんだ」と言う考えを持つべきでしょう。これは管理職の方だけでなく、政治家の方にも言いたいですね・・・。

 

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