転職者を雇い入れる時に大事な5つの事

IT業界では、どういう仕事ができる人材が求められるかや、身に付けていないといけないスキルが常に変わっています。「一人ひとりが会社にとって宝である」と言われるように、社員を雇う時にも各会社がしのぎを削る競争をします。人を雇い入れる大切さを分かっていても、それを現実的にうまくいかせる事ができない場合があります。そんな時は採用方法を検討し直さなければなりませんが、「それではどうすればよいか?」となると難しいです。そういう場合に基本となる考え(人を雇うための方向性)が必要です。

1.人を雇うための方向性は、はっきりしているか

 

「選んでもらう」という姿勢が重要

人を雇う時に大切な事として押さえておきたいのが、「人を選んでやる」よりも、「こちらが選ばれる」という謙虚な考え方をすることです。応募者に自分達の会社の良さを分かってもらうように採用活動をしなければならないのです。従来通りの「こちらが選んでやる採用」ではダメで、応募者が知りたいことを教えて自分達が選ばれるための採用をしなければなりません。そうすれば良い人を採用することもでき、それが評判となって良い意味で自社の知名度も上がります。そのためにも、是非とも雇うための方向性を明確にしましょう。

どうすれば入社してくれるのか

では、応募者の知りたい事とは何でしょうか。それは「会社の魅力」です。「この会社はよさそうだな」と思わなければ、たとえ内定したとしても辞退する可能性があります。そのようなことがないよう、自分の会社の長所について改めて考え、分析する必要があります。会社の長所を分析する時は、自分達だけのオンリーワンだと言えるようなものを考えなければなりません例を挙げると、自社の長所を表現するのに「営業力が高い」では具体性に欠けていて、応募者としても会社のイメージを掴みにくいでしょう。他に同じことを言う会社も多くて、独自性がありません。「営業力で、業界…番目の実績があります」のように表現すれば、応募者にも具体性が湧いて、より分かりやすく感じられます。また、営業力の高さが売りなのに、賃金の高さを売りにして宣伝したりすると、良い人材が集まったとしても、「こんなはずではなかった」ということになりかねません。

同業他社との比較をする

ライバル企業であろう同業他社との比較をします。

営業力で、自社よりも上を行っている他の会社があったとすると、例えば昇進の早さをアピールした方が、応募者には魅力的に映るでしょう。

そこで、まず初めに、昇進の早さをアピールし、次に「営業力で…社と同じぐらいの力がある」「賃金が良い」「従業員同士の仲がよく、働きやすい」と付け加えるのです。

こうすることで、応募者に自分達の会社の良さがより良く伝わり、応募者としても段取り良く求職活動を進めることができるようになります。

2.採用のためのビジョンを定める

採用活動をしていくうえで、採用のためのビジョンはどの会社も定めるものですが、「使える人材」がどういう人材かというのは、

曖昧なままになっているのではないかと思います。

月並みな方針で募集をかけていても、良い人材を得ることはできず、要領の良い採用活動をしているとは言えません。

また、採用のためのビジョンと前述の採用のための方針・方向性が一貫させることも大事です。

これらを一貫させていないと、採用後に採用した社員が「こんなつもりではなかった」と思って不具合が生じたり、

求職者からしてどこかブレている様に感じられたりすることになります。

採用のためのビジョンをはっきりと定めるには

ビジョンをはっきりさせるために、その要点を簡潔にまとめます。求める人材として、

「企業での就労経験2年以上」というような言い方がありますが、その「2年」というのが、

具体的にどういう経験や能力を言っているのということを明示できなければなりません。

以下に挙げる事項が具体的な経験や能力になるでしょう。

1.PCスキルを有している。

2.上下関係など、基本的な職場の常識が分かっている。

3.来客対応の経験があり、実践できる。

以上の能力を有しているのであれば、入社して1年の社員でも採用しても問題はないので、

あまり「2年以上」などの表現で、採用の幅を狭くしすぎないことも考えなければなりません。

また、これら3つの事項で特に何を重視するか等を考えておくと、なお良いでしょう。

3.無理のない採用活動をするために

採用が決定するということは、会社の側と応募者の間で、お互いの要望が一致するということです。

会社側が応募者を欲しいと強く思っても、給与が少ないとか、他社の方が求人として充実をしていれば、採用をすることはできません。

そのマイナスを埋める努力をしなければなりません。また当然ですが、そういう努力をすることによって会社に負担がかかってしまわないようにもしなければなりません。

それでも欲しいものは欲しいと思うかも知れませんが、やはり無理はしない方が良いでしょう。以下では具体的にそのための方法について見ていきます。

STEP1.「できれば採用したい」と「絶対に採用したい」の人物像をしっかりと持つ

採用したい人物像を明確に指定しても、それだけでは充分ではありません。

「できれば採用したい(無理だとしても接近を試みる)人物像」と、「絶対に採用したい人物像」に分類しましょう。

絶対に採用したい人物像にあたる人材は必ず取り、できれば採用したい人材はできる限り接近を試みることが現実的な採用活動であると言えるでしょう。

STEP2.採用の際の求める人物像が、なぜその人物像なのかをしっかり押さえる

無理のない採用活動をする上で、求める人物像が、なぜそうでなくてはならないかについて考え直さなければなりません。

よくあるのが、前に出した「企業での就労経験2年以上」の人材を募集する際、その人物像に指定したのはなぜか、と聞かれたときに、

「最近辞めてしまった人が、ちょうどそれぐらいであったから」のような意見がよく聞かれます。

社内でそのような人材を育てればよい、というのも一つの方法と言えます。

それが無理であれば、やはり「就労経験2年以上」の人材をしなければなりませんが、

それをすることで社内に何か良くない変化が起こってしまったりしないか、のようなことを考えなければなりません。

例えば、その新入社員が周囲の人に悪い影響を与えたりするようなことがあっては良くないです。

4.会社全体が採用活動にどう向き合うか

企業の採用担当者は、会社の他の部署からどのような協力を得るかを考えなければなりませんが、これが非常に難しいです。応募者に自分達の会社のことをよく分かってもらい、また応募活動に割く人員を確保しなければならないこともあり、会社全体からの協力は必要です。しかし、各社員はみんな仕事があり忙しく、応募活動だけに協力を得ることも難しいです。そのような中、得にくい協力を得るためにはどうすればよいかを考えたいと思います。

POINT1.会社の上部が採用活動を重く見ている

会社の上部が採用活動を重視していて、社内に向けてその事を発信し、そういった環境を整えるようにすべきです。これができていなければ、採用活動に向けて、会社内の連携がうまく取れず、応募者の目から見ても活動がしづらいです。例え話として、営業の仕事を考えてみましょう。契約したい会社があって、他の何社かで争っているような場合です。その会社の人達の前でプレゼンテーションする機会があり、他の会社よりも要領の悪いプレゼンテーションをしてしまった場合、契約を取りづらくなるのは容易に想像できると思います。

中小企業などでよくあるのが、当初は会社のトップが採用活動をやっていたら良い結果が出ていたのに、採用担当の部署を作って採用活動をすると急にそれまでのようにいかなくなる、という事です。会社のトップが採用活動をしていた頃は、会社内で活動に対してうまく連携できていたのが、そういう部署を置いてからは、会社内の連携がうまくできず、全社的な協力が得られなくなってしまうのです。ですので、会社内で採用活動を重視するような雰囲気作りをする努力は常にしていくべきです。

POINT2.社内に採用活動の全容を通達し、結果を出す

採用面接をいつ、どのようにするかを、他の社員に周知させる事は、大変重要です。応募者に全容を通達する事も大事です。面接では、こちらが応募者を見極めるというのもありますが、応募者が数ある企業の中で、自分達の会社を1番に選んでくれなければならない、という事もあります。面接には次の二つのパターンのどちらかで行うことになるでしょう。

一つが、自分達の会社の良いところを見てもらうパターンで、もう一つが応募者をこちらから見極めるパターンです。一つ目のパターンの場合、「応募者は自分達の会社のブランドに対し、プラスに思っているが、社風や賃金がどのようなものかと思っているので、そういった点を明らかにしながら、他社と比べた自社の良さを発信していく」のような方法が考えられます。

二つ目のパターンの場合、「最初の面接で人柄は分かったが、論理的思考力があるかは分からなかった。今回は論理的思考力を見るような面接をしよう。」のような対策が練られます。このように採用活動の作戦を練り成果を集めていく事が、より良い成果を上げられる事につながるのが分かります。採用担当者は会社のトップや他の部署とも緊密に連携し、採用活動を会社の重要方針として位置づけ、様々な採用活動に様々な対策を立て、実行に移していく事が求められます。採用担当者にはそれだけの能力を持った人材が求められることが分かります。

まとめ

採用活動では、求める人物像を定め、応募者側から自社に関心を持ってもらうように動くだけでなく、さらに採用した人材が辞めずに定着してもらうことも大切です。以上は、採用担当者だけでなく、会社のトップにも、是非とも理解しておいて欲しい事だと思います。また、全ての社員の方も、これらの事を分かっておいて欲しいと思います。

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