21世紀の管理職
これまでは新入社員や若手社員の育成を中心にお話をしてきましたが、‘育てる側’の管理職も能力を高める必要があります。そこで今回は、管理職を対象にした2つの研修、「TWI研修」とMTP研修についてご紹介します。
TWI研修
TWIとはTraining(訓練)Within(内の)Industry(企業)の頭文字で、職場内での訓練を意味します。この点はOJTと似ていますね。訓練の内容は「仕事の指導法」「改善の方法」「部下など人の扱い方」「安全作業について」の4つがあります。これを見ても分かる通り、順序に従って進める職務に向いた研修ですので、以前は営業や専門職には使いづらいと考えられていました。ところが、アメリカで医療現場に対してTWI研修を行ったところ、効果が見られたため最近では上記のような考え方は薄れつつあります。
TWI研修の中でもユニークなのが「電気コード結び」です。最初は講師が結び方を教えるのですが、多くの受講者が正しく結べません。次に講師が先ほどの「仕事の指導法」に従って結び方を再度教え、さらに受講者どうしで教えあうと出来るようになります。このことから「作業は手順どおりにさせること」と「部下が出来ないのは自分が指導しなかったから」ということを染み込ませます。この大変有意義な電気コード結びは海外でも取り入られています。
MTP研修
2つ目のMTP研修は、(Management Training Program)の略で、主に上級管理職向けの研修です。TWI研修とは違い、講師が教えるのではなく受講者同士がそれまでの体験を発表し合い、意見交換をして「よりよい管理とは何か」を探るものになっています。MTP研修の会合は17回も行われるため、4日連続や2泊3日で行うのが通例です。
MTP研修は管理職に必要な能力をすべてカバーしていますし、これからのグローバル化にも対応しています。研修の内容もその都度改定されていますので、しっかりと時代を反映した素晴らしいシステムと言えますね。
まとめ
TWI研修、MTP研修は共に戦後すぐに日本に導入され、管理職の研修に役立ってきました。現在でもこれらの研修はしっかりと行われています。企業の明日を決める優秀な管理職を輩出するためにも、これらの研修はぜひ活用したいですね。
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