統率力のある企業人を育てるには?

「人材とは財産である」との考えから「人財」とも書かれる「人材」。特に「人材育成」のことを指しての言葉です。人材育成の意味や企業における統率者育成について考えていきたいと思います。

個人の統率管理能力向上のために企業が出来ることは

企業が統率力を発揮できる幹部候補を育成していくことは非常に重要なポイントです。それではどのような取り組みが企業には求められているのでしょうか。昨今リノベーションの重要性が叫ばれていますが、やはり企業としても個人で考え行動できる自発的な社員、そのような幹部を育成することが急務となっています。このような人材を育成するためには幹部候補を選別し、その優秀な幹部候補に投資していくことが重要です。研修だけではありません。多くの職務経験を持たせ成長を促す、また選別は会社側から一方的にするのではなく、自発的に手を挙げた者による自己推薦といった方法をとること自体が自発的に行動できる幹部には重要なポイントであると考える企業もあるようです。

自己推薦という事であれば昨今の厳しい企業を巡る状況にも耐えられる人材が集まりやすいと考えられています。重要なことですが「野望」を持つ人物でなければ厳しいビジネスの世界では挫折してそのまま消えていくことになるでしょう。お人好しでは耐えられないことも現実として受け止めなければなりません。

統率管理能力とは何か

管理職として部下を持つということが統率管理能力をとれるということではないのはご理解いただけるところではないでしょうか。何も集団に属しているというだけで、またその集団において管理者たる立場にいることだけで統率管理できるという訳ではありません。一人でいる人間が何かの目標、例えばそれが昨今世間を騒がせているフラッシュモブといったパフォーマンスを行おうと多くの人々を巻き込んでそれを実現できたとしたら、そのチームワーク、マスゲームの完成を成し遂げられたとしたら、それは十分に統率管理能力を発揮した良い実例として取り上げられるでしょう。このように仕事への取組みと統率管理能力とは表裏一体のものと考えられます。また、後進の育成といった仕事のノウハウを教育していく教育者側にも世代を超えて技術を継承していく「伝承」も統率者には必要不可欠な技術の一つと考えられます。

統率管理能力を発揮することは人間にとって重要な成長目標の一つであることがお分かりいただけましたでしょうか。

成長ということを考えるとき、どうしても個人に意識が向かいがちになるものです。しかし、このように団体の中での自分の役割、また統率管理能力という人や集団を動かし大きな目標に向かうことの意義やその成果を得ること、そして自身の成長にまで意識を向けていきたいところです。

どのようなことを学ぶのか

実際にどのようなことを学べばいいのか、どのようなことが自分に必要なのか、そのような自発的に意識して考えていくことが非常に重要です。日々、自分で選択し、自分でその決定を下す、その積み重ねが統率管理能力に繋がってくるものだと考えます。それは日々の練習に似た行為なのです。また企業理念に沿った経営を行うことで、その理想にいかに近づくことが出来るのか、またそのような理想的な事業を実現させ、企業と人間、すなわち「人材」の成長を継続的に行っていくことが重要なのです。長期にわたって「人材育成」というものは成し遂げられていきます。決して短時間で簡単に出来るものではありません。

様々な企業において人材育成を重要視しているのは多くの方々が認めるところではないでしょうか。企業に従事する社員一人一人が自発的に自分の職能、仕事への取組み、経験や今後の成長と言ったものを熟考し、また統率者たる上司はコーチングといった指導教育を通して社員をサポートしていく、そうすることによって会社もまた社員たちも成長をとげていくことができるのです。また会社とはそのようなきっかけを継続的に提供していける場としての機能も併せ持っていけることが望ましいと考えています。

キャリア育成の責任

キャリア育成の責任の所在はやはり社員個人に究極的には帰されると考えられます。やはり、会社や上司に出来ることは確かに少なくはないでしょうが、3分の1もないといったところではないでしょうか。人材育成は企業にとって非常に重要性の高い問題ではあるのですが、最終的には社員個人のモチベーションといった問題に帰結していくのです。

統率者教育のポイント

当然ですが、統率者は他の従業員とは違う経験、そしてより困難な状況に対し決断を下していく必要があります。また、社内全体に目を配らせ、戦略的な指示が出せることも重要なスキルとなります。そのためには現役の経営陣の協力が欠かせません。現在の指導層と接し、その統率管理能力を知る機会を与えることが非常に重要なことになります。他の従業員には経験できないことを経験させることが統率者育成には必要なのです。そのような統率者育成もまた経営陣の自発的な発案が重要なのは言うまでもありません。

統率者は統率者からしか生まれることができないことを知るべきです。管理職を育成するためには管理職が、一般の社員を育成するためには一般の社員の教育が必要です。統率者との直接的なつながりが効果的に統率者を創造する土壌となるのです。

外部の人間を経営幹部候補として入れるなどライバル関係をつくり、良い意味での緊張関係を創造することも効果的であるとされます。馴れ合いは指導層たる統率者にとって致命的であると言わざるを得ません。あくまでもビジネスであるということを意識させましょう。また、違う環境出身の人々が集まることで多くの意見が交換され、幅広い意見に触れることが出来るといったメリットもあります。

女性のキャリア開発にむけて

キャリアの開発は常にひとつと言うわけではないことを考慮するべきです。女性の社会進出やキャリアアップの妨げになっているとまで言われる出産などの出来事もあります。在宅勤務、時間短縮勤務はもちろん、年齢層も幅広く採用する、性別や国籍などにとらわれることなく実力主義で本当に優秀な人材を獲得して行くことが重要です。また管理職を拒む女性というものも実際には多くいるとされています。そのような状況が起きないように意識改革を促し、責任ある職務に従事させるなどの取組みも企業には求められているのです。女性の仕事への意識向上は人材自体が不足するとされる現代では強く求められています。

優秀な人材は会社全体に有益であることを認識する

優秀な人材を自分の部署にいてもらいたいと考える人々もいるでしょうが、優秀な人材はむしろ会社全体にとって有益であると考えさまざまな部署を経験させ、苦手な分野にも果敢に取り組んでもらいたいと考える方向転換も企業の発展には必要となります。

人間は成長し続けることが出来る

身体的な成長は20歳~25歳をピークに段々と衰えていくとされています。特に第二次性徴と言われる思春期におおよその成長を遂げてしまうのですが、社会学的な見地、心理学的な見地に立てば人間とは十分にまだ成長が出来ると考える人もいます。40代で管理職として企業での指導的立場にあたる、また専門的な知識を生かした技術職としてまだまだ活躍の機会に恵まれています。

一昔前までの日本では年功序列、終身雇用などの制度が色濃く残り、ただ会社の意向に沿って働いていれば問題なく過ごしていけたのですが、現在では個人から技術を学ぶなどの行動が強く求められているのです。統率者としての技術を学び取ることも、研修といった手法から学べることは多くはありませんし、人から見習うといった方法でも実際に習得できる技術は3分の1もないのが現状ではないでしょうか。やはり個人の経験、仕事といったことから学ぶということがほとんどといった状況なのです。

まとめ

統率管理能力を習得するためには社員の自発的な意識によるところが大きいです。また、上司には「伝承」というノウハウの継承という技術も必要であることを考えるべきです。

「野望」を持つことのできる人材でなければ厳しいビジネス環境では勝ち抜くことが出来ないことも重要なポイントになります。統率者育成において「より困難な経験」「戦略的な見地」「統率者に師事する」ことが必要です。

 

 

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