新卒一括採用のメリットとは

欧米では新卒一括採用がなく、通年採用が一般的です。新卒一括採用には様々な問題点も指摘されています。その年に入社できるかどうかは景気が大きく関わり、学業にも悪影響があります。それにもかかわらず未だに続けられているのは優れた点があるからなのです。

教えることで知識が深まる

新入社員が入れば教育が必要です。しかし中途半端な知識では人に教えることができません。質問に答えるためには曖昧な部分を整理する必要があります。教えられる時は受け身でよくても、教える側になれば考えなければいけないのです。この過程であやふやだった知識がしっかりとした本物の知識となっていくのです。勉強をしていく中で新たな気付きを得ることだってあるでしょう。これまでのやり方を改めて見ていく中でそれまでとは違った方法、今後の改善点に気付くこともできるのです。

優秀な人材を低コストで獲得しやすい

優秀な人材であっても最初は給料も安く、低コストで獲得できます。従業員同士の連帯感を強めて企業への忠誠心を生み出します。現在はやや低下気味とはいえ日本の企業の競争力が高いのは、企業への帰属意識の高さがあるからです。

またどの色にも染まっていないので企業文化に根差した自社の色に染めることができます。ある程度技術を持つとたとえ自社と合わない方法であったとしてもそれに固執してしまい、柔軟に対応できなくなってしまう人も出てくるのです。これは中途採用のデメリットと言えるでしょう。新卒一括採用ならこのような心配をする必要は少なくなります。

組織が活性化される

どんな組織・グループであっても新しく入ってきた人たちは気になるものです。それまで新入社員だった人も新人が入社すれば先輩となります。後輩の前では恥をかきたくないものです。このような気持ちは人を成長させるきっかけともなります。

また組織に長年いるとその風土に良くも悪くも染まってしまいます。しかし新入社員はそうではありません。まだ右も左も分からない状態です。ミスだってあるでしょう。そのような初々しい姿を見るだけでも入社した時の気持ちを思い起こすのではないでしょうか。

まとめ

このような採用方法は日本独自のものです。レールから外れた優秀な人材を確保できないなどデメリットがあるので、通年採用に踏み切る企業も出てきています。しかしそういった企業はまだまだ少数派でありしばらくの間は新卒一括採用が続いていくでしょう。


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