今こそ必要なんです。『中間管理職』

最近は『ミドルマネージャー』と呼ばれていますが、わかりやすく言うと「中間管理職」。つまり部長・課長クラスの役職の事で、この役職の活躍が今また期待されています。プレーヤーでもありマネージャーでもあるこの役職が果たす役割は大きく、昨今の企業は「中間管理職」の強化に力を入れています。「何故、今頃?」なんでしょうか…。

組織のフラット化が中間管理職を無くした

かつて「組織のフラット化」が叫ばれ、それに追随する企業もあったように思います。「組織のフラット化」とは、海外の企業に習って上司部下の関係を無くし、仕事をスムーズに運ばせる組織体制の事で、メリットは「現場と経営が直結し、ダイレクトに意見が届く」とされたことです。社員と経営者との距離が近くなったことで経営陣はスピーディーな意思決定ができ、作業時間は短縮されたように思います。しかし、これにはデメリットもあったのです。

今また「中間管理職」が求められる

フラット化の反対にある言葉が「ピラミッド化」です。フラット化によって生じたデメリットのため、今また「中間管理職」の必要性が叫ばれ、企業によってはピラミッド化に舵を切るところも現れてきました。では、デメリットとは何だったのでしょうか?

まず管理職を無くしたことで昇進がなくなり、長年勤める社員のモチベーションが下がりました。その上、上司がいないことで個人にかかる責任の幅が広がり、かえって負担がかかってしまうという現象も起きてしまいます。また後輩を育てるという「育成」においても、人材教育の場が減少したり、その逆の、次世代の役員を作る事への支障も起こるなど、長期で考えた場合組織運営に影響が出ると判断した企業もあるようです。

組織のフラット化は、「中間管理職」のマネジメントの力が組織を円滑に運営でき、人材を育てる役割をなしていることに改めて気付かせてくれる恰好となったようです。

「中間管理職」を強化する

中間管理職の必要性はわかりましたが、では、昨今の中間管理職が置かれる現状はどうなのでしょうか。よく聞くのが『プレイングマネージャー』と言う言葉ですが、要は自分の仕事をやりながら、「組織変革」「人材育成」「マネジメント」等の役割もこなさなければならず、重い責任を課せられています。その上、職場環境は以前に比べ変わり、年長の部下の存在、非正規社員の増加で、ストレスも増大しているようです。

そんな中で、上層部からの指示が「できていない」と簡単に片づけられることは、中間管理職の立場からすれば「やりたいけどできない」と反論したい思いでしょう。それくらい、中間管理職はハードな現場に身を置いています。では、どうすれば強化できるのでしょうか?

強化のためのシステム作り

まず、その企業や組織におけるシステム作りを始めます。例えば「戦略」「育成」などの目的をフォーマット化し、組織全体で共有できるシステムです。たったこれだけでも、負担軽減が出来て、その分他の業務に力を注ぐことも可能になります。

よく学校の先生が雑務に追われ、生徒と十分に関われないと言われていますが、まさに中間管理職もこれに似て、本来なすべき業務がおろそかになっているように感じます。
もっと中間管理職が力を発揮できる職場環境を作りましょう。

まとめ

「中間管理職はツライよ~」と昔から良く聞く言葉ですが、現在の中間管理職はさらに「ツライ」ようです。しかしこの中間管理職の持つ役割は大きく、組織運営にはなくてはならないものだと改めて認識されています。企業側は、中間管理職の現状を把握し環境作りから始めましょう。


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