再雇用組の“経験”を活かす

現代の日本は高齢化の道を辿り、65歳を過ぎても働く(働かざるを得ない)人が増えました。2016年12月には「年金制度改革関連法案」が可決され、老後にもらえる年金が減ってしまうのではないか、という不安があります。

こういった背景のもと、今後も「働く高齢者」が急増すると予想されます。高齢化ということもあって、働く高齢者が増えることに対しマイナスのイメージを持つ人もいるでしょう。

豊富な経験が役に立つ

しかし、これは“チャンス”なのです。なぜなら再雇用組の人たちは若手や中堅の社員に比べて、社会経験が豊富だからです。長年にわたって得てきたノウハウを若い人たちに教えることで、若い人たちは新しい発見が出来ます。トラブルが発生した時も若手だけで対処するのは難しいですが、大ベテランの人は今まで培ってきた知識と勘を基に、いとも簡単に問題を処理してくれます。働く高齢者の存在は組織にとって大きなプラスとなるのです。

ここで現在「嘱託」として働くあるお医者さんの話をします。そのお医者さんは既に70歳を越えており、ここ数年で手術を2回受けています。しかし、本人に引退する気は全くありません。なぜなのかを聞いたところ、「私は30年以上大学病院で働き、オペなど数々の経験をしてきた。家に帰れなかった日も多かったし、患者さんのご家族に訴えられかけたこともあった。こういった数々の経験が少しでも若い医者になるのではないかと考え、頑張っているのです。たしかに私はヨボヨボです。(笑)でも残り少ない人生を後進の育成に充てることはすごく大事だと思います。若い人たちが戸惑う場面でも私がアドバイスをすれば結構解決できることが多いんです。私もまだまだやれるね」と答えてくれました。

実際はご本人が言うほど弱っていないものの、70歳を過ぎて医者として活動する事は大変です。それでも「ジジィ(本人談)」の経験・知識は現場の人たちにとっては宝物なのです。医療の世界は特殊な面がありますが、どんな企業でも働く高齢者から学ぶことは多いと思います。働ける時間は他の人にとって短いですが、得られるメリットの方がずっと大きいのではないでしょうか。

まとめ

日本はいずれ、高齢者の割合が30%を越えます。それに対して不安を抱える人が圧倒的に多いことでしょう。しかし、ネガティブはことばかり考えても事は前に進みません。高齢者を「活かす」という発想も今後は必要です。若い人たちには持っていないものを高齢者はたくさん持っていて、きっと色んなことを教えてくれます。そんな高齢者をリスペクトするのも良いのではないでしょうか。

 

 

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