苦しい考え方と楽な考え方

人材育成の過程として研修を行う企業が多いと思います。社員も一生懸命聞いて理解しようとするのですが、よく見渡してみると‘ある差’に気付きませんか?それは研修内容をすぐに理解して余裕の雰囲気すら出している社員と、なかなか理解できずにずっと腕を組んだままの社員です。今日はこの差について考えてみます。

全部理解しようとする‘苦しい考え方’

研修内容をすべて理解しようとする姿勢はいいのですが、後半の方は頭に入らないことが多いです。壇上で講師が話していることをその場で全部理解できるのは、おそらく聖徳太子だけです(笑)

ですが、考えてみてください。講師の話の100%が重要なのでしょうか?物事には骨格の部分とその周りの肉の部分があります。骨格というのは大事な部分で、肉はそれに付属するもの(付け足しやエピソードなど)です。研修内容も同じで、コアとなる部分とその周辺の部分があります。骨格の部分をしっかりと理解できれば、あとの肉の部分は聞き流すくらいでいいのです。

たまに機関銃のごとく喋る講師がいますが、そういう人は骨格や肉だけでなく、‘贅肉’の部分(余計な部分。話が脱線していることが多いです)まで説明します。それを全部受け止めようとすると頭がパンクします。そうすると頭の‘空き容量’が無くなって、それ以上の内容が入らなくなってしまいます。これではせっかくの研修を活かしきれません。

要領よく理解する‘楽な考え方’

それに比べて‘楽な考え方’が出来る人は話の全部を集中して聞くのではなく、骨格の部分を上手く拾って聞いています。研修の内容が複数あっても、それぞれの骨格の部分を理解します。また、研修の内容はそれぞれ繋がりを持っていることが多いです。ですから、楽な考え方の持ち主はそれぞれの骨格をつなぎ合わせ、研修全体の内容もしっかりと理解できるのです。

考え方の改善をさせる

このように苦しい考え方をしていると物事に対する理解度は上がらないままです。研修の内容が理解できず成長しませんし、日頃の業務でも理解不足が発生して困ることでしょう。このような社員がいれば考え方の改善、つまり骨格の部分を要領よく理解できるよう訓練しなければいけません。

具体的には研修内容についてのレポートを書いてもらい、上司に添削をしてもらうのです。そこで肉や贅肉に当たる部分を削っていき(肉の部分はある程度残してもいいと思います)、骨格の部分を主体としたレポートを再提出してもらうのです。これを何度も繰り返しているうちに‘骨格’と‘肉’の見分けがつき、大事な部分を要領よく理解できるようになります。

まとめ

相手の話を真面目に聞くのは大事ですが、大事な部分を集中して聞き、そうでもない所は多少聞き流すくらいがちょうど良いのです。このスキルはプライベートでの会話にも応用できます。奥さん(旦那さん)の一番言いたい事は聞き逃さず、あとの愚痴は半分聞き流しましょう(全部聞き流すと怒られますので注意して下さいね)。

 

 

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