五月病の対策を取りましょう!

 

『五月病』という言葉を聞くと、働き始めた新入社員や、入学したばかりの学生がかかるものだと思っていませんか?

これがそうでもないんです。

働き盛りの層にも、転職や転勤、社内の人事異動などによる『五月病』はあります。

むしろ増えているのかもしれません。もはや現代病となった『五月病』にならないために、また、なった場合どう対応すればいいのか、その予防と対策を簡単ですがまとめてみました。

「自分はならないよ」と思っているあなた!

いつ『五月病』が襲ってくるかもわかりません。是非、参考にしてください。

◆『五月病』って?

そもそも『五月病』という言葉は医学用語ではありません。正しい病名ではないのです。

お医者さんに診断されると「適応障害」や「うつ病」と言われます。

つまり、心の病(精神疾患)の一種です。

「じゃー、なんで五月病って言うの?」って思いますよね。

考えられるのが、この病気にかかる人の特徴からでしょう。

5月といえば、会社に入りたての新入社員や入学したての大学生が、慣れない環境の中で働き、又は勉強し、ゴールデンウィークという連休を挟む頃です。

おそらく、新たな環境に早く慣れようと、自分でも知らず知らずのうちに頑張りすぎて、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでる頃でしょう。

4月からフルスロットルで走ってきた新人が、まさにその環境に慣れようとしている頃、長期の連休で一気に気が緩み、張っていた糸が切れてしまった状態になってしまいます。

そうすると、それまで蓄積されていた肉体的疲労や、心身のストレス等がドカッと出てしまい、放心状態になります。

ゴールデンウィークが終わってもその虚脱感や疲労感は抜けず、長期に休んでしまう人・そのまま辞めてしまう人が増えることが理由で、この病気の名がつきました。

◆今や“5大疾病”のひとつ

以前は4大疾病と言われたものがあります。「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」がそれです。

2011年厚生労働省は、「精神疾患」を加えて“5大疾病”とする方針を発表しました。

今や「精神疾患」が現代病の一つになり、『五月病』も誰でもかかりうる病気となりました。

『五月病』以外に、『六月病』『九月病』があるように、若者だけがかかる病気ではなくなったのです。

◆どんな人がかかりやすい?

かかりやすい人には特徴がありますので、いくつか挙げてみます。

自分が当てはまっていないかチェックしてみてください。

①実直で責任感の強い人

私の周りにも羨ましくなるタイプの人がいます。それは「まじめに仕事してる?」と思えるほど、所々で息を上手に抜く人です。まぁ、こんなタイプは『五月病』とは縁遠いでしょう。

しかし、その真逆にいる真面目な人は、かなりストレスを溜め込む人が多いはずです。

息を抜くという事を「サボル」と判断するタイプで、常に全力疾走です。

“早く慣れるために頑張る”ぐらいならいいのですが「頑張り過ぎる」と危険信号です。

そしてこのタイプの人は、自分が「頑張り過ぎている」ことを、どこか「いいこと」だと思っています。心身が悲鳴を上げていることに気づいていません。

②おとなしい性格の人

言いたいことが言えず、全てを自分の中に取り込んでしまう人です。

もうこれだけでストレスを溜めてしまいますよね。

特に、出来上がっている職場環境の中に新人として入ると、自分をどう表現すればいいのか悩んでしまいます。「うまく付き合っていきたい」という思いが強いほど、自分の率直な思いを伝えられないのかもしれません。

③理想が高い人

理想が高いと聞くと、すごく良いことのように思えますが、案外ストレスになる物です。

高い理想は、時に現実とのギャップで悩まされます。

「こんなはずじゃなかった」と、大きな失望感と挫折感に襲われます。

それでも、仕事は続くわけですから、ストレスは徐々に蓄積されていきます。

その他、完璧主義、融通の利かない人、忍耐力がある人など、『五月病』にかかりやすい人はいます。

◆どんな症状が出るの?

症状にも、軽いものから重いものまでたくさんあります。

深刻になると、精神的な症状だけでなく肉体的にも症状が現れたりするので要注意です。

ここでは、代表的な症状をいくつが挙げていきます。

①やる気が起きない

②食欲がなくなる

③マイナス思考になる

④寝付けない

⑤イライラする

⑥頭痛・めまい・動機などの体調不良

など、他にもたくさんの症状がありますが、とにかくこのような症状が出たら、まず休むことが重要です。

◆予防法(治療法)や対策はあるの?

有ります!!

『五月病』は「適応障害」「うつ病」と診断される病気で、心身の病です。

心と身体が、自分の許容できるキャパ以上のものを処理しようと頑張った結果、起こるものです。だったら、処理できるように一度自分の心身を整理して、空白の部分を作ってあげましょう。そうしたらまた、処理できるキャパが出来ます。

まず大きく深呼吸しましょう。

次に

①睡眠はしっかりとりましょう!

睡眠がしっかりとれると、肉体的疲労も回復します。これは時間重視ではありません。短い時間でも深い眠りにつく事が出来れば、案外疲れはとれるものです。

ただ、「眠らなきゃ」という強迫観念にも似た追い込みやめましょう。

眠れなければ「読書でもするか」ぐらいの、マッタリした気分でいてください。

②一休み!一休み!

“一休さん”は良い事を言いますよね。

本当に「一休み」は大事なことなんです。

別に何でもいいんです。スポーツ・料理・読書・映画・買い物…、自分が一番リラックスできる時間を作りましょう。ストレスは知らないうちにあなたの体の中に溜まっています。適度に解放してあげないと溜まる一方になります。何も趣味がないという人も、軽く散歩するだけでも違ってきます。

「一休み!一休み!」です。(注;アニメ「一休さん」のエンディングより)

③栄養を考えた食事をとる!

“セロトニン”という物質をご存知でしょうか?

セロトニンは、三大神経伝達物質の一つで、人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定に関与すると言われる物質です。これが不足するとうつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすくなります。

セロトニンのとり方はいろいろありますが、食事からもとる事が出来ます。

例えば、大豆製品や乳製品などには含まれていますので、それらを使った食事を取るなどして、栄養からも考えましょう。もちろんそればかり頭でっかちにならずに、バランスの良い食事を取るようにしてください。身体が健康であれば、心も健康を保てるようになります。

④ちょっといい加減に!

これが一番難しい事かもしれませんが、“少しいい加減なくらいで良い”と思う事です。

「人間はミスをする動物です」。完璧な人間なんて存在しません。

だから、少しくらいはいい加減でいいんです。

いろいろ試したけど、一向に改善されないという人は迷わずにクリニックを受診してください。

「何科に行けばいい?」と考える人もいると思いますが、たとえ「頭痛がひどい」と思っている人でも、元々の原因は心の病から来ているものですから、『心療内科』がいいでしょう。

一人で頑張らないで、他人を頼りましょう。

まとめ 

以上、簡単ですが『五月病』の予防と対策を挙げてみました。

しかし心の病気は一人ひとり原因が違いますので、方程式のような「これが答えだ」とは言い切れません。

ただ誰にでも言えることは、一人で悩まず、周りの人たち、またはクリニックに相談してほしいということです。

 

 

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