若者と向き合う
企業の将来のために若手社員を育て上げようと考えている経営者は多いと思います。しかし、実際は育成が上手くいっていないことが多いようです。それもそのはず、最近の若者(平成以降に生まれた人たち)はなかなか上司の話を聞こうとしません。あるいは、一応話を聞いてはいるが「スマホを触っていた」という光景が見られます。「これぞゆとり教育の弊害だ」と嘆く人は多いでしょう。確かに最近は「脱ゆとり」の傾向がありますので、ゆとり教育はあまり上手くいかなかったのかもしれません。若者の態度にイライラするのも理解できます。
では、若者を責めるだけで物事は解決するのでしょうか?昔なら出来たでしょう。しかし、今は叱ると逆効果です。余計に言うことを聞かなくなるだけでなく、会社を辞めてしまうでしょう。ひどい場合は翌日から来なくなります。
若者の価値観を認める
なぜこうなってしまうのでしょうか。そもそも今の人たちは「会社のためにがんばろう」とはあまり考えていません。(全員ではないことを断っておきます)「3年以内の離職率が高い」「非正規雇用の割合が増えている」というニュースを見ても分かりますが、今の若者は1つの考え方に縛られるのが嫌でたまらないのです。「もっと自由に生きたい」「結婚は別にしなくてもいい」と考えるのです。私自身この考え方が良いとは思っていません。ですが、この考え方を悲観しているだけでは問題は何一つ解決しないのです。
そこでこの際、思い切って若者の考え方を認めてはどうでしょうか。「多様な価値観も個性があっていいな」「自分のために生きるのも大事なことだ」と思えば、気持ちも幾分楽になるのではないでしょうか。確かに世代によって考え方は異なります。ですが、「良い・悪い」といったオールオアナッシングの考え方よりも、「こういうのもアリ」「ここは理解できる」といった「間(あいだ)を取った考え方」をする方が若者への理解が深まります。
意外と承認はされたい
「言うことを聞かんのに承認欲求はあるのか。生意気なやっちゃ」と怒る方、すみませんが我慢してやって下さい。彼らは「独り」は好んでも「独りぼっち」まではなりたくないようです。仲間と一緒に楽しく仕事をしたいのです。ただし、努力はしたがりません。ここは問題です。これも「努力しなさい!」と頭ごなしに言っても聞いてくれません。「努力することの大切さ」を教えてあげてください。
「どうやって教えるんだ」という声が聞こえてきそうですが、例えば1つのプロジェクトを任せてみるのです。大事なのは口を出しすぎないことです。そばで静かに見守ってあげましょう。そうすると分らないことが出てきたとき、自分で考え出すはずです。承認欲求がある=褒められたいということですから、簡単には投げ出さないと思います。もし途中で投げ出してもそこまでの頑張りを評価することが大切です。そして、最後まで出来た人には思いっきり褒めてあげましょう。そうすることで彼らも「頑張ると褒められる(=承認欲求が満たされる)」ことを覚えます。これを繰り返していくうちに成長していきます。
根気が要りますが、必ず結果は出ます。小さい頃からパソコンやゲームといった機械に囲まれて育っている分、能力自体はあると考えられます。その伸ばし方を知らないだけで、褒められて気分を良くすれば、あっという間に成長します。是非見守ってあげてください。
まとめ
「今の若いモンは・・・」と思って接すると若者も相手をしてくれません。逆にこちらから心を開くとそれに応えてくれます。様々な価値観を認め、「私はあなたを認めています」という気持ちさえ伝われば、若者もついて来てくれます。それが成長の始まりなのかもしれません。
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