パイオニアの育成で大きく成長!!
現代人にはおなじみのコンビニ弁当やカップラーメンのプラスチック容器ですが、製造方法は知られることはありません。実は多くは真空成型という形成法で作られています。この製作を手掛け、シェアナンバーワンの会社が、実績に安心せずさらなる飛躍のための人材育成に力をいれています。
2年間の研修で、物の見方を多角的に
この会社の特徴として2年間の研修があります。1年目は実務研修で、製作・製造・営業などを経験してもらいます。その実務の内容から適正評価が行われ各部門での実践で経験値を高めることになります。正式配属となったら次の課題があります。この経験で、自社製品についての習熟度は確実に上がってきます。
2年目の研修では3か月ごとの異動があり、各部署の知識やスキルを実践しながら身に付けていきます。例えば2人の上司から違う指示がでた場合でも、その2人が関わりを持っていたらそれぞれを理解し、判断できるようになって自分に合ったやり方を選択できる能力がつきます。つまり、異動で理解力判断力に優れた人材となりますし、仕事で威力を発揮して2年研修分の時間を短縮してくれます。
社長の視点では、早々に担当部門の仕事に慣れ、戦力として望まれる人材になることが目標です。
部門ごとのやりがい
また、この会社では、営業部に配属された人も製造に関わっていくなど部門移動が珍しくありませんが、社員は「営業でお客様ととことん話し合う楽しさを知り、またそれを製造部門に移動したときに、活かすことができ、それぞれの楽しさを経験出来てよかった」と話します。
「真空形成はとても感覚的なところがあって、熟練した職人さんに話を聞くだけで、興味がわいてきます」と営業スタッフは金型つくりの参考にもしています。このように、複数の部門を渡り歩く研修は、社員の間に繋がりを生み、絆が深まることとなります。
初めての形状の金型製造の依頼が来た時も、誰からも文句も出ず、かえってみんなで物を作る一体感と達成感が感じられ、納品の日には共に喜びを感じていたそうです。暗黙の了解で協力しあう姿は、この会社の特徴の一つと言えます。
個人の成長を助け、社員同士の絆を深める同社の基本姿勢は、リーディングカンパニーの地位を維持し、さらなる上昇を目指し成長し続けることでしょう。
シェアナンバーワンになった真空成型用の金型製造
豊富な人材を揃えた同社が手掛けるのは、技術的にも優れた真空成型で、比較的強度が高く、薄肉のプラスチック製品を製作するのにふさわしいと言われます。この真空成型を日本で使用しだしたのは、昭和30年代。世間は高度成長時代で、会長は先見の明を発揮してこの真空成型の需要を予測し、会社を立ち上げて製造に乗り出しました。そこで、手腕を発揮したのは、製造部門にいた社長です。
時代の流れでCADや自動工作機械が導入され、このままでは仕事も減っていくと危機感をもち、製造担当にもかかわらず、自ら営業を始めました。CADを覚えようと出来る人に張り付いて図面の勉強をしていたりと、その行動力と努力が実を結び、受注は右肩上がりに増えていきました。そして、現在はシェアナンバーワンと実績を伸ばしています。このときに、他部門を経験したことが大きな財産となり、それぞれの作業をするには全体を把握する必要があると確信しました。これが、2年間研修のもとになっています。
まとめ
同社では、手作業で物を作るという物作りの基本を忘れないように、社長自らの企画を月に一度開いています。最初から手作りすることで、新しい発見もあります。細やかなことに注意がむき、それが金型を深く知るきっかけとなります。このように、基本を忘れないぶれない姿勢と、人材育成が会社の軸となりより一層の飛躍へと繋がっています。
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