男女格差の残るいびつなシステム・ニッポン
女性の社会進出が叫ばれてから久しいですが、今回はその現状と今後の課題について、いびつなニッポンのシステムを考察していこうと思います。果たして、市場は女性の労働力を上手く活用できているのでしょうか。
男子厨房に入らずの日本
日本の昔からの根強い意識「男は外で働き、妻は家を守るべき」という古い感覚も、現代において未だ残っているので日本男子が家事労働に充てる時間は、他国の半分以下という結果になっています。家事をしない男性の姿が浮き彫りになってきます。
日本の格差を労働、生活の面で他国と比べると、平等上位国のフランス・フィンランドでは性差はほぼなくなるという結果です。それに比べて日本では、全女性雇用率のうち、非正規雇用率は33.4%と男性に比べて非常に高い値を示しています。まだまだ正社員で活躍し続ける女性が定着していないという事ですね。
格差が際立つのは政治、経済
健康に関してや教育に関しての分野では、意識も高く他の国々と遜色のない順位ではあります。問題視されるのは、『政治への関与』と「経済活動への参加と機会」が思わしくない数字であることです。女性国会委員の割合は世界の50位に滑り込むには、26%という実績が必要とされ、ここ10年の間に日本の順位があがったのは女性閣僚のポイント位と言えます。管理職の立場に就ける女性の比率はわずか9%とあまりにも低く、これを35%にまで引き上げないと世界の50位 にさえ届かないという有様です。
労働市場は男性中心型
女性は出産を機に退職に追いやられる場合が多く見られます。職場の再雇用というシステムが機能していないのです。「女性活躍推進法」も新たな取り組みとして成立して、常時雇用する労働者が301人以上の企業に、女性の活躍に向けた行動計画の策定が義務付けられました。一般財団法人女性労働協会の会長も今の日本の現状に、「女性が出産後も働き続けるための態勢が整っておらず、男性正社員を中心に残業が当たり前という労働条件が主流として続く」と話す。課題としては、女性の管理職登用など数値目標について、最低限目指すべき水準を提示すべきだということが言えるでしょう。
中間より低く、また一番下の順位も
各国、世界の男女格差解消の実績をみると、「保険」「政治」「教育」「経済」の4分野にわけられ、その中でもG7(先進7か国)では日本は明らかに大きく取り残され最下位を記録し、アジア・太平洋諸国では「真ん中より少し」というポジションです。この結果は、日本の男女格差解消への実績と計画とが、世界の時流に全然追いついてないことを表しています。
まとめ
「女性が輝ける社会を」と政府のスローガンは挙がっていますが、上記で述べたように男女格差の解消は一向に進んでいません。世界経済フォーラムが毎年発表する「世界男女格差レポート」では日本は先進国中で最下位レベルにあることを重く認識して、国策も格差の解消に積極的に行動しなくてはなりません。平等度は世界145か国中101位という現実を重く受け止めて、個々人の意識も率先して変えていけるよう努力が必要といえます。
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