調整役が組織を変える!

日本の経済はしばらく停滞を続けてきましたが、この先はこれまでの分を取り戻すくらいの成長が必要です。そのためには企業の利益率アップが求められます。ですから社員の力を存分に生かさなければなりませんが、社員が能力を発揮しやすい環境を整えなければ力は生かしきれません。そこで必要なのが会社の“調整役”という存在です。社員と上層部の間に立ち、様々な調整を行って社員の力を発揮させる役割が必要なのです。

適性を見抜く鋭い観察力

調整役に必要なスキルは、まず「社員の適性を見抜く力」です。例えば簿記2級の資格を持った人が経理部に配属されたとします。しかし、その人を飲み会に誘ったところトークが大変上手いことが分かりました。相手を引きつける「喋り」のセンスも十分です。そこで調整役が考えるべきことは、「ひょっとしたらこの社員は営業の方が向いているのではないか」ということです。

調整役の考えがいつも正しいとは限りません。大事なのは「可能性を探ること」です。現状を正しいと思い込まず、「その人が本当に向いているのは何なのか」を常に考える思考が必要なのです。社員の言動や業務の成績を踏まえ、その中から最適な役割を考えるのですから、人間を‘観察’する能力が求められます。

コミュニケーション能力も一級品

そして上の例のように新たな適性を発見したら上司に報告するのですが、ここで大切なのは「上司の顔を立てつつ自分の意見を述べること」です。経理部に配属したのは上司ですから、単刀直入に「この人は営業部に向いています」と言ってしまったら上司は機嫌を損ね、せっかくの意見も拒絶される可能性があります。いかに「下から目線」で、それでいてしっかりと意見を述べるのか。難しいテクニックが求められますが、調整役には必要な話術です。

また、社員の気持ちを考えた上で行動するよう心掛ける必要があります。本人はまだ自分の適性に気付いていないでしょう。上の例で言うと、「自分が営業に向いている」とは考えていないかもしれません。ここでも自分の意見をストレートに言うのではなく、面談の場を設け、日頃の仕事の状況や職場への不満などを聞き、その上で「キミは営業に向いているかも」と話すことで本人も受け入れやすくなるでしょう。

このように、上司・社員の双方に上手く話を伝えるのが調整役の‘見せ所’です。両者の立場を考え、お互いが納得できるようにするのですから、コミュニケーションのスキルもかなり高度でないと調整役は務まりません。

まとめ

調整役は他の人では気付かないところまで観察し、必要に応じて組織の改善のために動くわけですから、とても貴重な存在です。そういった‘オンリーワン’の社員の能力を生かすのも、組織の成長のためになります。

 

 

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