崩壊する年功序列

同一労働同一賃金ガイドライン案の公表が政府よりなされました。このガイドライン案は非正規雇用と正規での雇用格差の是正を促すものと期待されています。安倍首相が「非正規という言葉をなくてしていきたい」と語っており政府も法改正を進めていく方針です。

具体的な待遇差を示している

今回のガイドライン案では待遇差として何が不合理であるのかを具体的に示しています。そのなかで、基本給について職業経験や能力に応じた部分につき同一の賃金支給をしなければならない、との具体例を挙げています。

また、正規雇用者の職業経験が現在の業務に対し関連がない場合、非正規雇用者と比べて多額の基本給の支給を認めるのは適切ではないとの見解を示しています。年功序列に代表される年を重ねてさえいれば、給与が上がるという事への否定的なメッセージとなるでしょう。

多くの企業では非正規雇用者に賞与が支払われることはありません。それも悪しき例として具体的に書かれており、企業に相当な衝撃を与えるでしょう。

賃金格差の是正に積極的な政府

 

現在の政府は賃金格差の一掃を掲げており、今回のガイドライン案はかなり具体的に実例を示しています。その点では、本腰を入れ格差問題に取り組む姿勢を示したともいえます。当然ですが、このように非正規雇用者への待遇改善は、正規社員にとっては賃金が下がるのではないかという不安があるでしょう。

今までは年功序列で単に年を重ねるだけでも給与は上がっていきました。しかしこれからはそういうわけにはいかず、非常に厳しい時代を迎えそうです。

正社員に求められる技術の向上

 

優秀な人材を求める企業は多いですが、そのような人材により高い給与を与えているとは限りません。正社員は年功序列によって技術的に多少見劣りしていても多くの給与を得ています。しかし、これからは積極的に技術の向上を目指していく必要性があります。

正社員という理由だけで給与が高いということはなくなっていくでしょう。担当する仕事が大して変わらない場合、正社員と非正規雇用の従業員との賃金格差を埋める努力が企業には必要になってくるのです。

まとめ

今回のガイドラインの公表によって、年功序列型の賃金体系が縮小に向かっていく可能性は高くなっています。正社員だから安心というわけではなくなりつつあります。今後、企業は非正規雇用の従業員に対し「どうして賃金に格差があるのか」を説明する必要が生じてくるでしょう。

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