能力はありながら派遣社員である理由

近年の日本は派遣社員で働く人が増えています。ですが正社員で働く場合と比較すれば大きな違いがあり、デメリットも存在します。それにもかかわらず派遣社員として働く理由は何でしょうか。

正社員になれなかったから

現在、派遣社員であっても正社員を希望している人は少なくありません。しかし、日本の採用方法は新卒一括採用がメインであるため、景気が悪いというだけで正社員として就職できない人が増えてしまうのです。

そこでやむなく派遣社員を選ぶ人が出てくるのです。しかし、「正社員」というレールをいったん外れてしまうと、戻ることは困難です。中には正社員になることができず、年齢を重ねて抜け出せなくなる人もいます。

このように正社員になることができず、不本意ながら派遣社員を続けている人たちも多く存在しているのです。

ライフスタイルに合わせて働くことができる

 

確かに正社員になれないのは痛いですが、実はメリットもあるのです。例えば派遣社員であれば勤務地・曜日・時間を選ぶことが可能です。サービス残業はしなくてもよいですし、飲み会や社員旅行も断りやすいのです。自由に働きたいと思う人、親の介護や子育てで忙しい人には魅力的に映るのではないでしょうか。

しかし正社員だとこうはいきません。転勤を命じられることもあるし長期休暇も取りにくくなります。

メリットとデメリットを天秤にかけたうえで、派遣社員を希望する人も一定層います。

キャリアップ助成金や公的訓練で正規雇用へ

 

現在正社員につけず、不本意ながら非正規で働き続けている人はおよそ400万人に上ると見られています。こうした状況を受けて厚生労働省では「正社員転換・待遇改善実現プラン」を策定しました。

平成28年4月からの5か年計画で不本意非正規雇用労働者の割合を10%以下にすることを掲げています。キャリアアップ助成金(非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するために、厚生労働省から支払われるお金で条件さえ満たせばどの企業でも受け取ることが可能)や公的訓練を行うことで非正規から正規雇用への転換を促しているのです。

まとめ

不本意ながら派遣社員として働く人が増えており、社会問題ともいえる状況です。そこで厚生労働省もこうした層を減らそうと計画を策定しました。こうした状況から今後派遣社員は減っていくものと思われます。

個人レベルで見ると時間に融通が利く、責任が比較的軽いといったメリットから派遣社員として働きたいという人もいます。しかし正社員になれずやむなく派遣社員として働く人もまだまだ多いのです。

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