雇用のあり方を考える

日本の労働者の中で、非正規で働いている人は4割にも上ります。30年前は2割もいなかったことから相当増えているといえます。それによって労働力の低下が懸念されていますが、なぜここまで非正規雇用者が増えたのでしょうか?そしてこの問題にはどうやって対応すればよいのでしょうか?考えていきましょう。

注目すべきは男性の増加

非正規雇用者と言えば女性のイメージが強いと思いますが、実は男性もかなり増加しているのです。30年ほど前には男性の中で非正規の人は7%だったのに対し、2014年の統計では20%を超える結果となりました。

昭和の時代は「年功序列・終身雇用」の言葉通り、男性の方は学校を卒業した後は定年までずっと同じ企業に居続けるのが当たり前でした。しかし、バブル期に自由な働き方を求めたのと就職氷河期によって正社員になれない人が増えたことで、非正規の男性が増えたと考えられます。

お互いの立場から見る

では、非正規雇用者が増えた理由をもう少し掘り下げて考えてみましょう。まずは労働者の立場から考えてみます。

最近は仕事もプライベートも自由にやりたいという風潮があります。ですから、「自分の働きたい時間帯で仕事をしたい」のを理由に挙げる人が最も多いです。次いで、主婦の方に多い「家計の助けにする、子供の学費を稼ぐ」と言う理由が来ました。他には通勤を楽にしたいという理由も見られました。

では、企業側にはどのような理由がありのでしょうか。いうまでもなく「給料を抑えたいから」なのですが、それだけではありません。例えば正社員なら厚生年金に入り、半分は企業側が保険料を納めます。しかし、勤務時間が少ない非正規の方は社会保険に入りません。ということで、「社会保険に入りたくないので、短時間労働者を雇いたい」という本音もあるようです。

対策を考える

これからも企業は多くの非正規雇用者を抱えながら運営していかなければなりません。そこで彼らの処遇改善や社会保険の加入、スキルアップについて考える必要がります。ですが、現状では企業の負担が大きいです。

そこで今実施されているのが「キャリアアップ助成金制度」です。これは厚生労働省が行っているもので、有期雇用者に訓練をすると1人当たり50万円以上の助成金が企業に下りるというものです。これで企業の負担無くスキルアップが出来ますので、財政にも余裕が出てきます。

その分を賃金のアップや社会保険の加入に回せば非正規の人もやる気を出して働いてくれます。やはり社員の訓練は公的機関に任せるのが良いといえます。

まとめ

非正規雇用者の割合が増えること自体は悪くありません。しかし、教育や自己啓発のシステムについては従来に方法では上手くいきません。キャリアアップ助成金制度を上手く活用することで訓練費を抑え、他の経費に回すのが良い方歩だと考えられます。

 

 

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