非正社員の教育を考える(第1回)

日本の非正規社員が増える中、問題視されているのが「人材を育成出来ていないこと」です。日本の労働人口が減る中で社員一人一人の質を上げなければなりません。ですが、実際に教育が行き届いている企業は多くないでしょう。これでは日本の労働力の低下を招き、国際社会から取り残されかねません。そこで今回は3回に分けて日本の労働環境、そして非正規社員の教育問題について分析します。第1回は「日本の労働力と訓練の必要性」についてお話しします。

頭の痛い「労働力不足」問題

現代の日本は「バブルの崩壊による経済の停滞」と「人口減少」の2つの問題を抱えています。特に団塊の世代が引退してから労働人口はかなり減り、一人一人の社員が今まで以上に頑張らなければなりません。しかし、バブル崩壊後の日本の生産性はほとんど伸びておらず、特にサービス業や建築業界の生産性は全く上げられずにいます。

決して社員の労働の質が悪いわけではありませんが、働き手の減少が大きく足を引っ張っています。ですから今後はさらに生産性をアップさせなければいけないのです。

経済状況に左右される訓練の実施

ところが、資金が不足しているために満足な訓練が出来ない企業が増えています。OJTを実施する企業の割合は8割を維持しているのですが、Off-JTについては6割前後にまで下がる時期がありました。その後一時的に持ち直しましたが、2008年のリーマンショック以降再び減っており、最近になってまた回復しています。

つまり、訓練の実施率と国全体の経済状況は非常に密接な関係にあるのです。「アベノミクス」で景気が回復している今だからこそ、企業は訓練を実施しやすい状況にあるのです。

「訓練をする」→「売り上げが上昇する」

ここまでの流れを見ていると、「儲けの少ない企業は訓練が出来ない」というイメージがありますが、本当は逆で「社員にかける訓練費が多い企業ほど売り上げがアップする」のです。特にOff-JTを積極的に行うことで業務の知識を身に付け、その結果労働の質が向上して生産性も上がる、という流れになっているのです。

逆に福祉業界や運輸業界はOff-JTへの資金投入に消極的で、売り上げも低い水準にとどまっています。業種によって訓練の実施率に「格差」が生じていますが、「儲からない業界だから訓練が出来ない」のではなく、「訓練に対する意識が低いからいつまで経っても儲からない」のです。

大事なのは訓練への資金投入を前倒しで行い、社員の生産性を上げて売り上げも伸ばすという発想を持つことです。「お金がないから」では何も状況は変わりません。まずは「訓練の実施」です。

まとめ

確かに日本の経済状況が訓練の実施率に直結しているのは事実です。しかし、それは「資金投入が出来なさそう」という先入観や「お金をかけられない」という甘えから来ているとも言えます。しかし、本質は訓練を先に行って生産性をアップさせることで経済も良くなるのです。誤解を解いてOJT、Off-JTをどんどん行うようになれば嬉しいですね。さて、第2回では非正規社員の増加と生産性の関係について見ていきます。

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