社員教育の担当者におすすめの本10冊。
社員教育に携わっている上司・担当者の方に参考にして頂きたい本を、まとめて10冊ご紹介します。人材育成入門・人事について・研修について、など分かり易く手に取りやすい内容で、社員教育の知識を持ちたい方・育成にお悩みの方向きの参考書にもなります。社員教育に向けてのあらゆる分野の書籍を集めていますので、目に留まったものがあれば御一読ください。気軽に読める本もありますので、ご参考に。
1*反転授業
著者:ジョナサン・バーグマン、アーロン・サムズ他
出版日:2014/5/20
「反転授業」という新しい概念が、小学校から大学まで広がりを見せています。かいつまんで概念について説明しますと、「基本的な学習を授業前に行い、応用力の育成に必要な学習を授業中に行う教育方法」で、2000年ころから主張され注目を浴びています。
反転授業は教師に焦点を置くのではなく、「学習者と学習」に焦点を置く考え方をして創意工夫をしていくのです。学力の遅れを生じている生徒には授業が双方向になるというメリットがあり、真の個別化を図ることができ、ひとりひとりに対応できるという学習方法になります。「真の学習とは、学ぶ内容が教える者の手ではなく、学ぶ者の手にある」という事です。これは学校だけに留まらず、研修のあり方に於いて根本から考え直すきっかけにもなります。「反転授業」を意識改革に役立てるため、是非ご一読ください。
2*成果を2倍にする社員研修の鉄則45(DO BOOKS)
著者:真殿 道生
出版日:2009/3/5
様々な不満や疑問でいっぱいの人事・教育担当者必携です。成果をあげる社員研修を的確に指導している書籍です。失敗しない教育をするためにとても参考になる本で、現役の研修講師の生の声を聞くことが出来ます。実践のノウハウが具体的かつ簡潔に書かれており、ストレートで率直な意見に好感度もあがっています。現場での生きた声を拾っているので、迫力もあって読み応え満載の本となっています。研修の企画や見直しをする人にとって、最適な一冊となるでしょう。「大切な人材教育、どこから手を付けよう。研修の効果がでないし、手応えも感じられない」とお悩みでしたら、早速手に取ってみて下さい。
3*レジリエンスビルディング_「変化に強い」人と組織のつくり方
著者:ビースマインド・イーブ株式会社
出版日:2014/4/23
組織の運営をしていると、平坦な日々ばかりでないことに気付かれるでしょう。予測不可能な突然の変化がおこる場合もあります。「レジリエンス」とは、「立ち直る力」「回復力」を意味します。この本では、ネガティブなことが起こった時の対処療法を体験に基づいて編集されています。
それにとどまらず、強さを鍛えることで何があっても動じない個人・組織を作る考え方を紹介しています。レジリエンスを高めるためのプログラムを導入した企業の例がありますが、参加者に大きな変化が見られたとの報告があります。このプログラムは信念・自己コントロール、良い習慣、人間関係、考え方、専念する力、の6つをレジリエンス強化の要素としています。レジリエンス強化の具体的な方法論として、ぜひこの本をご参照いただきたいと思います。
4*企業内人材育成入門
著者:中原 敦、荒木 敦子、北村 士朗
出版日:2006/10/20
人が学んで育つことに関して、より深い理解の求められる本です。人材育成に関する目的として心理学・教育学・経営学の基礎理論を簡潔に紹介しています。自分なりの教育論では、私にとって上手くいった方法が必ずしも他のケースで上手くいくとは限りません。ですから、基礎理論を徹底的に学ぶ意味がここにあります。本書では学習のプロセスとメカニズムが分かり易く書かれています。経験則と理論が両立していて引用も豊富で、部下の育成に役立つものとなっています。単に人事部や総務部の教育担当者だけでなく、部下の人材育成に悩んでいる人は目を通す価値のあるものとなるでしょう。
5*世界で最も賞賛される人事
著者:ヘイコンサルティンググループ、浅川 港
出版日:2007/10/31
この本は注目の「世界で最も賞賛される企業」ランキング常連のトップ企業の人事担当者が、自らの経験をもとにひとづくり・組織づくりの要諦を明かしたものです。活力ある企業風土を作るヒントが読み取れる、企業トップ・人事関係者まで必読の一冊と言えます。単なる事例集ではなく、世界的な超優良企業のヴァイスプレジデントや、アジアの人事・組織戦略の責任者自らが人事のあり方、考え方について生の声で語ってくれます。会社で大切なぶれない価値基準の適切な理解・行動が「人事の最も重要な仕事」と考えていることが、熱く伝わってくる一冊です。非常に参考になり、読み物として面白いものだと思います。
6*人を動かせるマネージャーになれ!
著者:ブライアン・トレーシー、磐田 松雄他
出版日:2013/9/25
マネジメント育成、企業文化醸成に役立てたい一冊となります。マネージャーの成功の秘訣は「部下を伸ばそうと思えば、まずは自分が成長しろ」ということです。単に啓発的な精神論ではなく、具体的かつ実践的な説明があります。著者ブライアン・トレーシー自らの経験から得た最大の教訓は「人の能力を引き出すのに重要なのは、学歴・知識よりも感情的な影響をあたえる接し方や言動である」ということです。部下に接する方法が「シンプルだけど、本質を突いた25項目」に分けて並べられています。締めくくりには、「有能なマネージャーに共通する資質のうち、一番大切なのは行動である」とあります。スピード重視、つまりその場で直ぐに動くことで、フットワークの軽い行動力のあるマネージャーを目指しています。マネジメント業務の方は、是非とも参考にしてみて下さい。
7*従業員をやる気にさせる7つのカギ
著者:稲盛 和夫
出版日:2014/2/25
企業経営者・リーダー・マネージャーの全ての管理職必読の書です。会社の経営は、「従業員がいかにやる気を出してくれるか」にかかっています。この本ではやる気にさせる方法として、考え方と具体的な方法を7つのポイントに分けて説明しています。企業経営としては、このポイントを絞った7つの方法を徹底して行い、社員に共鳴・賛同してもらいやる気になってもらうこと、これしかないと思っています。
京セラ時代を過ごし、日本航空現名誉会長となった稲森氏の経営塾「盛和塾」の経験から、経営上の問題点に関してアドバイスをまとめたのが本書です。経営哲学がコンパクトにまとめられたものになっています。人事の役割に示唆するところが大きい一冊となっていますので、人事担当者は一読してみてください。
8*会社を強くする人材育成戦略
著書:大久保 幸夫
出版日:2014/5/16
この本は、人材育成について企業の経営者や担当者が、全体のフレームワークや近年のトレンドを理解し、戦略や計画を立案する力をつける入門書になっています。入社してからシニア層になるまで、各々の段階に合わせた効果的な施策と留意点を解説してあります。
初めて人事担当者になられた方・人材の育成経験がなくこれから取り組まねばならない方は、この本でまずは全体把握に努め、他のリソースも活用し、自信が深く関わる分野をさらに深掘していく事に役立つと思います。強い会社を目指して戦略をたてる方法などが、書かれています。人材育成に関する全体フレームや傾向を俯瞰的に知りたい方にお勧めの一冊です。
9*無駄な研修
著者:福嶋 覚
出版日:2007/9/28
この本は、研修の担当者が3年目を迎えた時に読むには良い本です。通常の定期研修は3年で一巡しますので、その頃になると各方面から見直しや取りやめなどのご意見を頂くことになるからです。「ムダな研修」として中止されることもあり、一生懸命やったけれど行き詰った担当者にとって、とても役立つ良書です。
無駄は無くなると言い切ったこの本では、新人研修での受講者の意識、研修講師の心得と研修の進め方など、様々な面から具体的なヒントと方策を提示しています。研修担当者・経営者・講師・研修機関等、関係者必読の書です。アクビと携帯のバイブ音ばかり聞こえる研修は無駄だらけであることに気付いてほしいですね。
10*人材開発マネジメントブック_学習が企業を強くする
著書:福澤 英弘
出版日:2009/2
経営者というものは、昼夜時間も問わず会社の発展を考えています。本書はそんな経営者の方に別の角度で自らの事業をとらえるヒントを提示してくれています。「人材開発」という切り口で経営を考えて行く時に、この本が新たな視点をもたらしてくれるでしょう。必ず人材開発が専門でなくても、ヒトの能力に関して問題意識をお持ちの方にかつようして頂きたいと、著者からのコメントがあります。人材開発の担当者のみならず、能力開発に関わる全てのビジネスパーソンが知っておきたい、人材開発の理論と実務のノウハウを一貫したコンセプトのもと体系的に解説しています。本当に組織の目的に適った人材開発、研修の企画・運営を促す事を目的に、理論と実践のインタラクションの中から生まれた本です。
まとめ
社員教育に携わっておられる方は、全て読んでみる価値のある本だと思います。オススメの本ばかりですので、企業の人材育成にお役立てください。抱えている様々な問題や成果がでなくて行き詰っている時などには、考え込んでいるよりも、本を手に取り多角的な面から思考を巡らせて、解決へ向かう方法を取るのがベストだと思います。
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