人材流出の悪夢を防ぐには

以前の日本では終身雇用が当たり前で、人材が頻繁に入れ替わることはあまりなかったと思います。しかし時代は変わり、転職する人が増えてきました。

そこで発生する問題は「優秀な人材の流出」です。例えばエンジニアの方は「自分が成長できる環境ではないから」という理由で辞めることが多いですし、他の職種でも他社からの「引き抜き」などがあると思います。

しかし、優秀な人材に退職されると翌日からの業務に支障をきたしてしまいます。また、優秀な人なんて滅多に巡り会えません。次に優秀な人材に出会うまで何年もかかってしまうことも考えられます。これは企業にとって頭の痛い問題です。こんな悪夢にめぐり合うことのないよう、優秀な人材に長く(できれば定年まで)留まってもらう方法を考えましょう。

自社の魅力を伝える

社員に「ずっとここに居たい!」と思ってもらうには、会社の魅力を“アピール”する必要があります。(まず会社自体に魅力がなければ大問題ですが・・・)入社時にある程度は伝わっていると思いますが、もっと会社の事を深く知ってもらうのです。例えば「ウチでは○○分野で、ライバルより先に進んでいるんだ。顧客の満足度も高いし、社員もみんな『働きやすい』と言ってくれている。将来は△△という事業に参入しようと思っているんだ。」と言うといいと思います。

これの良いところは、まず自社の優れている点を伝えることです。売り上げなど具体的なデータを示すと尚良いでしょう。次に「社員にとって良い環境か」という点です。言うまでもなく、働く環境が悪ければ誰でも辞めたくなります。特に最近は「ブラック企業」という言葉に世間は敏感です。「ここはあなたにとって働きやすい職場ですよ」と伝えることで社員も安心して働けます。そして最も大事なのは「会社の将来像を明確に伝えること」です。バブルの崩壊以降、企業の生き残りが厳しくなっています。ですから社員も「この会社は長く持つのか」をとても気にしています。そこで将来のビジョンを明確に伝えることで「この会社は10年先、20年先も大丈夫だな」と思ってもらえます。

この3点が社員に伝わっていればそう簡単に辞めないと思います。むしろ転職の方がリスクが高いと考えてくれるでしょう。

社員を尊重する

先ほどの「社員にとって良い環境か」に近いところがありますが、社員自身が「会社から承認してもらっている」と思っているかが大切です。どんな人にも「承認欲求」というものがあります。ですから、周りの人たちはその欲求に応える必要があります。これは職場だけでなく、ご近所付き合いや学校などにも当てはまります。

「あなたのこと、ちゃんと認めているよ」というメッセージは、日頃のコミュニケーションの中で表現するのも大事ですが、人事評価や給与といった“形”で表すことも忘れてはいけません。最後は「数字」が判断材料になります。いくら言葉で褒めてもらっても、給料が一生上がらないなら、職場への不満は溜まっていきます。今はボーナスを出せない企業が増えていますが、寸志でもいいので気持ちを伝えることが何より大切です。

採用の時点で“理想の人材”を考えておく

このように、経営者や上司の方に出来ることがあるわけですが、それ以前に社員が「自社のカラーに合わない人材」であれば、いくら承認をしても“逃げられる”リスクは残ります。そうならないよう、採用の段階で「ウチは○○のような人材を採る」と明確にしておきましょう。恋愛でもそうですが、お互いの相性が合わなければそれ以上どうしようもありませんね。採用の面接で「ウチのカラー似合いそうな人か」をしっかりと見極めるべきです。

まとめ

いかがでしたか?現代は“人材の確保”がとても大切です。油断しているとアッという間に他所へ移ってしまいます。昔のように「会社のためにオレは命を懸ける!!」」という人はほとんどいなくなり、「自分のために働く」と考える人が増えています。こういった「価値観の変化」に敏感になる必要があります。社員1人1人の価値観を認め、人として大切にすることが優秀な人材の流出を防ぐ手段となるのです。

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