それでもあなたは美容師になりますか?

『髪結いの亭主』と言う言葉を知っていますか?現代風に言うと、「奥さんが理美容師さんなら夫は遊んで暮らせる」の意味です。つまり『ヒモ』です(笑)。それくらい、理美容師さんは職にあぶれることはないと言われていたのです。しかし、昨今はこのことわざが通じるのかどうか分からない状態かもしれませんね。それくらい美容業界の未来は10年先が読めない状態です。

それでも、あなたは美容師を目指しますか?

キムタクのドラマで人気急上昇

2000年のキムタクドラマ「ビューティフルライフ」の翌年から、美容師志願者は増えたという話を聞きます。「キムタク恐るべし」ですね。現在もその傾向はあるようで、2015年版の新小学生(女の子)が「将来就きたい職業」で、美容師は12位です。1992年が20位にも入っていませんから、ジャンプアップですね。(残念ながら男子では2015年版でも20位に入っていません)

しかし、親が就かせたい職業では2013~15は11位で、調査開始の1992年は9位です。親御さんには『髪結いの亭主』のことわざは生きているようです(笑)。

美容業界があぶない?

人気がある美容師の世界ですが、人気が出れば出るだけライバルも増えます。ある美容師さんは

「美容院の寿命は5年」と言っています。常に変化(流行)に敏感でなければならない美容院にとって、新規の顧客が期待できるのは開店から5年だというのです。最近は、集客の方法も変わりネットでの発信を通じて新規顧客を得る店も増えてきています。スタイリングの問題だけでなく、そういった発信力も敏感に感じ取れなければならないようです。

また、経営方法も以前のようなアシスタントを育成するのではなく、「面貸し」として個人と契約して店に入ってもらうパターンも増えています。どちらが良いとは言えませんが、「面貸し」が増えれば、美容師全体のすそ野が狭まるような気がしてなりません。

それでもなくならない美容師

美容業界があぶないと言っても、世界から美容師と言う職業がなくなることはありません。「AIロボット」が人の髪を切ってくれるでしょうか?(否定はできませんが…)。大事なことは、美容師と言う職業は、人が人に接する仕事だという事です。ある美容室のオーナーは「うちは5年先10年先を見て、人材育成に努める」と言っています。「最後にお客様が選ぶのは『人柄』であり『テクニック』だと思うから、その期待を裏切らないように努力を怠らない」と。

即戦力の「面貸し」という方法より、地道な方法で遠回りのようにも思われますが、10年先をしっかり見据えた方法のような気がします。オーナーたる者、長い目でお店の、又、スタッフの将来を考える必要が重要ではないでしょうか。

まとめ

美容業界のこれからは、ますます多様化が進むと考えられます。これまでのようなアシスタントを育て一人前にしていく運営方法や、海外のような面貸しのスタイル等、経営方法も広告の打ち方も多様化されます。どれが正しいとは言えませんが、10年後自分がどのような美容師でいられるのか、経営者でいられるのかを考えて、行動が出来るのが理想ですね。

 

 

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