社員の健康と安全を守る

日本人は諸外国に比べて、真面目で働きすぎだと言われます。実際その通りで、欧米諸国に比べると労働時間はかなり長いです。特に最近は「ブラック企業」という言葉をよく聞きますが、違法とも言える長時間残業が横行しており、社員が大切にされていないように思えます。

しかし皆さん、「社員は会社にとって大切な宝物だ」ということを忘れていませんか?会社の事情を優先するあまり、社員を蔑ろにしていませんか?社員の健康が損なわれると業務が進まなくなったり欠勤が出たりして、企業のマイナスになります。そこで今日は、社員のどういう所に気をつければよいかを考えてみましょう。

1、日頃から社員の健康に気を配る

「体が資本」という言葉がありますが、体調が整っていないといくら仕事を頑張っても効率が悪くなり、周りに迷惑をかけてしまいます。「仕事が溜まっているのだから、これくらいはやってもらわないと」という方もいるでしょう。しかし、無理をさせると“必ず”しわ寄せは来ます。一時的に120%の力を発揮させるくらいなら、いつも90%の力で仕事をする方が組織のためになります。

また、会社が行う健康診断の結果も大切です。忙しい人ほどストレスは溜まりやすく、中には生活習慣病にかかっている人もいるでしょう。健康診断は「病気のサイン」を発見する貴重な機会です。結果を活用して健康面の改善につなげましょう。

2、社員の安全を重視する

「ウチは建設業じゃないよ」という方、なにも危険が伴う仕事だけの話ではありません。災害などの危険から社員の命を守ることも、とても大切なのです。2011年に起こった東日本大震災以降、主に津波を想定した避難訓練が行われています。東北地方はもちろん、南海トラフ巨大地震の危険に晒される四国や和歌山県などでは、何度も避難訓練を行って住民の身を守るようにしています。企業も同じで、社員を災害から守るためには定期的に避難訓練を実施する必要があります。緊急時にはどこへ逃げるべきか、避難経路はどうするべきかといったマニュアルも用意しておきましょう。

「やることが増えたなぁ・・・」と感じる方もいらっしゃるかと思います。しかしこれを怠ると、とんでもない「しっぺ返し」が来る恐れがあります。これは企業とは関係ありませんが、3.11の震災で「避難誘導を怠った」として多額の損害賠償を求められた小学校がありましたね。70人以上の児童の安全を守れなかったために、10億円以上の賠償を命じられました。(2016年秋)学校でも企業でも人々を預かると生命を守らねばなりません。もしそれが出来なかったとき、多くの賠償金を支払うことになり経営面で大ダメージを受けます。多少飛躍しているかもしれませんが、人命を守ることは経営を守ることにも繋がるのです。是非とも社員の安全を守って欲しいものです。

3、メンタルケアを忘れずに!

今の日本では、職場の人間関係がストレスの一番の要因となっています。ですから社員の「心の健康管理」は身の安全の確保と同じくらい重要なのです。対策はいろいろ考えられますが、例えば管理職の方が心理系の資格(カウンセラーなど)を取得する方法があります。部下の悩みを解決するには最も良いのではないでしょうか。

それが難しい場合は産業医に相談する体制を整えるのも良いと思います。精神科医でもいいのですが職場のトラブルの解決には、産業医の先生の方がより詳しいです。

もう一つ。これは私のおススメでもあるのですが、NHKの「今日の健康」や「チョイス」といった健康・病気を扱う番組を見るのも手です。以前は内臓など体を扱うことが多かったのですが、最近は心の病についても触れています。大変分かりやすく、ストレスとの向き合い方を教えてくれます。決して宣伝をしているわけではありませんので(笑)

まとめ

社員が健康で生き生きとしていないと仕事も上手く進みません。社員が病人だらけになって「欠勤続出」となるとプロジェクトの進行に悪影響が出ますし、何より職場の雰囲気が悪くなります。「人手不足だし、お金がないので社員を守る余裕なんてないんだけどなぁ」と言う方もおられるでしょう。

確かに社員の健康・安全を守るにはそれなりの“投資”が必要です。しかし、それは未来の“損害”を防ぐ手立てでもあるのです。「急がば回れ」ということわざがありますが、企業を永く存続させるためにも社員の健康・安全はしっかりと守りましょう!

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