人事考課面談のポイントと効果的な面談の進め方。

人事考課の面談をすることにより、組織活性化やより充実した人材育成を行うことが出来ます。それには、面談を通じた評価を部下にしっかりと納得してもらい、考えを相互共有することが大切です。面談で本音を聞きだすのはなかなか難しいので、部下との話し合いは常に行っておきましょう。上司の一方的な面談という形にならないよう、平素からコミュニケーションを取り部下の思いを引き出すように心掛けることが大切です。また面談をする際は、部下を冷静に客観的に判断するスキルも必要になってきます。では、面談の必要性と、進め方について考えてみましょう。

面談で部下を知る

個人の特性を把握するために、面談は貴重な情報収集となります。面談時の目的は一つに絞ったほうが、より効果的です。複数あると、具体的な回答があやふやになります。

そして面談を通じて社員が「どんな人なのか」「何を目指しているのか」「困っている事はなにか」「改善にむけてどうするか」などについて現状を正しく知り、話の内容を持ち帰って正しいフィードバックに繋げます。

面談で上手に部下の話を引き出すことが出来れば、業務に関して活かせる意見を聞けたり人材の優秀なところを発見できるなど、社内の貢献度の高い人物に気づけたりとメリットは沢山あります。

ただ業績の良い部下ばかりではないので、成果が出せない部下に対しては課題を提示するだけでなく、成長ぶりを認める発言も必要です。決して責めたり叱責したりしないように、あくまでも自信を持ってもらう場所にしてください。部下は「自分に関心を持ってもらっている」「応援してくれている」と安心しモチベーションのアップが期待できます。

部下が人事評価に納得がいくような方法を取ることで、「長所」や「短所」をオープンにし、自らが変化し成長していく気づきのチャンスとなります。間違った考えを修正し、目標に近づくための道を探す方法が容易くなります。

面談時は部下も評価を気にして緊張しています。話しやすい雰囲気を心がけ、「一方的な評価をされる」とか「理解してもらえないのじゃないか」と感じさせないようにします。部下の話をしっかり聞いていることを積極的にアピールすることが大切です。

面談を効果的にするためには

面談の意義は、上司が一方的に話し続けることではなく部下に気持ち良く自分の思いを吐き出してもらうことにあります。また、自信がなくて「自分は何も役に立ってない」とマイナス思考の人もいます。

そんな場合にはその人の長所を伝え、あなたは何かに貢献しているし感謝もしている人もいるという事実を知ってもらいましょう。そして上司としてあなたに期待していること、将来に関してビジョンを描くことの大切さなどを、きちんと伝えましょう。

ネガティブなタイプは被害的に受け取る人が多いので、話を聞く際には十分気を付けましょう。

そして、人の悪口を言う人間もいます。面談で「○○さんがああ言った。こう言った」「あの人は私を避けている」などの話になったら、気持ちを落ち着かせましょう。主観で物事を理解しているタイプには、自分を客観的にみる方法を伝える必要があります。面談される人間が気付かなかった側面も発見でき、改善点に結び付けていけます。また、自分の求める答えを引き出そうと誘導尋問になってもいけません。現状を正しく把握するには、部下の率直な意見を聞きださないと、深く相手を知ることに繋がりません。マネジメントに必要なスキルです。

実績を上げて前向きな部下には、褒める・感謝するなどして、モチベーションの維持を目指してもらいましょう。

進め方のプロセス

スムーズに面談を行おうと思ったら、事前に自己評価を記入するフォーマットなどを用意しておくと、取りこぼしなく説明してもらえます。やみくもに話し合うのではなく、効果的に面談を行うために準備をしておくと良いでしょう。

自分で決めた目標に対する達成度を記入したり、良かった点・悪かった点などの自己評価を記入したりできる書類があれば、利用しましょう。面談では上司から見た部下の評価を伝えて、その理由も説明します。部下が納得いかない場合、面談内で意見を聞き話し合います。時間がかかってもこのプロセスは大切です。

会話で信頼関係を作るということは次の面談も、より効果的に行えるという事です。話し合いの時は過去を振り返るだけでなく、今後の目標などビジョンを明確にし、将来的なキャリア形成についての意見なども聞き取りましょう。

個人の目標について話し合うときは、企業としての目標も伝えしっかりと共有することが大事です。そして、最終的な評価を下していきます。

面談が終わった後には、決定した目標に関してアドバイスなどを行い、コミュニケーションの機会をしっかり持ちましょう。それにより、部下は自分の目標を見つめ直したり、スキルアップに向けて自己啓発をおこなったりしやすくなります。

まとめ

面談者の引き出し方のスキルは大変重要な技術となりますので、平素から意識するのは「人を育てるための面談」と考えて、人間関係の構築をしておきましょう。この面談で行われる人事考課の目的としては、賃金の査定という事だけではありません。人生を左右される程の影響ももたらします。

企業内での、自分の評価を知り立場を認識し、将来にむけた自己啓発に繋げたり社員のモチベーションの維持や向上を図る意味でも重要な役割を果たします。社員の意見も考慮するという事で、精度の高い評価が行われます。単に面談をしたという事ではなく、評価される部下が納得してくれて次に繋がるステップアップの機会と捉えてくれれば、よりよい人事考課となります。

 

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