孫正義はどんな教育を受けてきたのか
今やソフトバンクの社長として万全な地位を築き上げた孫正義さん。実は正義さんの兄弟やお父様も企業家という「華麗なる一族」なのです。特にお父様の三憲さんの教育は独特で、これこそが超一流の企業家を育てたといえます。さっそくどんな教育法なのか、見ていきましょう。
1、自分の考えを貫く
これは決してわがままを通す、という意味ではありません。何を始めるにしても「必ず自分で考えて行動せよ」というのが三憲さんの教えなのです。時には「学校の先生も間違ったことを言うので気を付けなさい」と言ったほどです。
目上の人や優秀な人の言っていることが100%正しいとは限りません。また、正しいと思われる内容でも聞き手によってはしっくりこないこともあるでしょう。そんな時に孫家の人たちは相手の話をうのみにせず、「納得のいくまで自分の頭でとことん考える」ようにしているのです。起業(それも大きな投資を伴うもの)して成功するには、人に頼らず自分の考えや信念を貫くことが大切と言えるでしょう。
2、子供にも責任を与える
最近は選挙権の年齢が18歳に引き下げられるなど、若い人たちにも責任を負ってもらおうという動きがあります。(それでも諸外国からすれば日本の教育は甘いですが)しかし、この家庭は小学生であっても容赦しません。
正義さんの弟、泰蔵さんが10歳の時です。父の三憲さんがパチンコ店を出店することになったのですが、その時のチラシの図案をあろうことか泰蔵さんに任せたのです。泰蔵さんは図工が得意だったのでいいデザインに仕上がると思ったのかもしれませんが、新規オープンという一家の生活が懸かる大プロジェクトのチラシを小学生の息子に任せたのです!
しかも要望は特になく、パチンコ玉が溢れだすイメージで描けというものだけでした。泰蔵さんは何とか仕上げましたが、父の三憲さんは多少の修正はしたものの即採用しました。結果はどうなったか。開店初日からチラシを見た人たちがわんさか集まるではありませんか!泰蔵さんも客から「これ、ボクが作ったの。すごいね」と褒められたとのこと。
35年経った今、泰蔵さんは「若いうちから成功体験を積み重ねることが大切です。また責任のある仕事をこなし、周りに変化を与えた経験も自分を大きく変えます。あの時は大変でしたが(笑)」と振り返ります。
10歳で責任のある仕事を与えるのは少々極端かもしれませんが、子供がある程度責任のある役割を実行することはその子にとって大きな自信になります。簡単なことでもいいので、こういうことをさせていくのが大切なのではないでしょうか
3、とにかく褒める
泰蔵さんがパチンコ店のチラシで客に褒められたというエピソードが出てきましたが、孫さんの家庭でも「大げさではないか」と思えるほど子供を褒めてきたのです。例えば学校のテストで満点を取ると「お前は天才だ!」と言い、絵を描けば「キミはピカソを超えるぞ!」とまるで‘おべんちゃら’にも聞こえそうな勢いで褒めるのです。褒められた子供も「何かおかしいな」と思いつつ、言われ続けているうちに「自分は出来るかも」と思い、自然と自信がついてくるのです。(もっとも、父の三憲さんは「大げさに褒めるのがどれだけ大変だったか」と述懐していますが)
いずれにしても、子供のうちから自信を付けさせることはとても大切です。日本では欠点を指摘することが多く、成長の芽を摘み取ってしまうこともありますがこの孫家の考え方は参考になるのではないでしょうか
4、動物園のような家庭
よくソフトバンクの経営会議は「動物園のようだ」と言われます。重役だけでなく、知識があるなら一般社員まで呼び集められ、活発な会議をするためにこのようによばれるのでしょう。これは家庭でも同じようです。
ある日、父の三憲さんが「自分はもう80(歳)だから」と真剣な話をするかと思いきや、「生きてもあと50年や」と言ってのけるのです。すごいですよね。自分の年を考えると、子供たちに残しておきたいメッセージがあるのでしょうが、真剣な話をするときほどユーモアを交えるのが「孫流」なのです。
こうすることで張りつめた空気が和らぎ、大事な話が心に入りやすくなるという効果があるということです。時々正義さんがジョークを交えるのも一つの‘戦略’だったんですね。実によく考えられたものだと思いますが、みなさんはどう思われましたか?
まとめ
わたしたちが孫さんの真似をするのはとても無理でしょう。しかし、参考にできるところはたくさんあったと思います。周りに流されずに自分で責任をもって考え、大きな自信を持つことはどんな人にとっても大切なはずです。少しでも実践することで日本、いや世界をリードする人材になれるのではないでしょうか。
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