時代の異端児、日本料理業界の会社

日本料理業界で、斬新な発想で近代経営を持ち込んだ企業があります。和服姿の女将が「うちのお店」と言わず「うちの会社」と話す姿には、今までにない意識の高さが見て取れます。その姿を追ってみましょう。

「日本料理の世界を残してくれ」

社長が修行時代に強く心を揺さぶられた言葉が、お世話になった親方の亡くなる前の「日本料理の世界を残してほしい」という一言でした。感銘を覚え、忘れられない言葉となり、現在の仕事に情熱を注ぐきっかけとなりました。

社員教育も、働く人を含めた「すべての人に心からのおもてなしを」という理念で、教育をうけた社員は自己の成長を実感したり、会社に貢献できていると感じたり、自分自身が働き方改革のモデルになりたいと意欲を燃やす人材も出てきています。女将という仕事が家庭と両立できることを、後輩などに見せていきたいと、よい影響を与え合っています。

また、社長のおもてなしの理念に惹かれて就職した社員は、信頼され認められる社員になることを目標とし、お客様が満足された時の言葉「ありがとう。おいしかったです」というコミュニケーションを励みにしていたり、また、働き手としてリスペクトされ、若い人の目標とされる人材に育成されています。経営理念が上手く浸透しているということです。イキイキと笑顔で働く姿に企業としての成長を感じられます。

 

 

伝統の和食の粋、世界文化遺産登録

 

 

日本の誇れる文化和食の粋は、長く受け継がれてきた伝統です。しかし、昨今は担い手不足から、せっかくの伝統も衰退しつつある現状です。

そこに危機感を感じ、革新をもたらそうと現代的な経営ノウハウをつぎ込んだこの企業は、設立以来毎年1店舗を新規出店する勢い。工夫されたメニューで、食通を唸らせています。なので、スタッフもますますやる気を出していく結果となります。また、ここで働きたいと志願する人材も増え、安定した働き手の供給が行われています。

社長は老舗料亭で新卒の後、修行に入りましたが現場では厳しい修行。そんな中でも仕事に魅力を感じ、日本料理の追及を考えていました。

お店の閉店が決まった時に自ら起業して、衰退する一方の業界の態勢を「自分で立て直そう」という思いがふつふつと湧き上がってきました。こうして京都に1号店オープンの運びとなります。功を奏したのか、現在では本格的日本料理店を12店舗展開となっています。そして、上場企業へとの夢が膨らんできます。

 

働き方改革、日本料理業界

 

 

経営の基本はお客様も働く人も「すべての人に心からのおもてなし」という理念です。問題視されていた労働時間の短縮、手順の徹底的なマニュアル化などを図り、仲居として入社すると分厚いマニュアルを覚えることが最初の仕事となります。

このような、徹底したマニュアルは厳しいようですが学ぶことにより、成長の速さを実感されています。

 

まとめ

社長は、日本料理業界の働き方改革を持ち込むチャレンジャーと言えます。経営に手応えを感じ、いずれか上場企業を目指そうという野望ももっておられます。そして、会社を大きくしていく夢を持ち、前向きな発言と指導力で、リーダーシップをとっています。日本料理界では上場を目指すのは異例のことであり、未来を試される意欲的な企業と言えます。

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