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人財ラボ

『人事考課制度』のキケンな落とし穴

どこの企業にも「人事考課制度(人事評価制度)」はあると思います。この制度のおかげで、個人の業績や能力に対する評価が分かりやすく表示され、その後の育成にも役立ちますよね。しかし中には、この制度の誤った認識に振り回されている企業も少なくないようです。その誤った認識とはどんなものなのでしょうか。

あなたは月給制派?年俸制派?

「年俸」と聞くと、プロ野球選手の契約更改の時に良く聞かれる言葉ですよね。ちなみに、日本ハムの大谷翔平の2016年の年俸は2億円です。来年あたりはメジャー移籍があるかもしれないので、さて何億円になるのでしょう。うらやましくてため息が出ます(泣)。
話は逸れましたが、最近はこの年俸制を企業でも取り入れているところがあり、メリットデメリットが話題にもなっています。メリットは成果に応じた報酬になるので、特に若い技術者にとってはやりがいが持てるでしょう。しかし、デメリットは成果が出なかった時の減収です。では、企業の年俸はどのようにして決めているのでしょうか。

成果主義の賃金体制はキケン

先に上げた「年俸」は個人の前年に上げた成果で支払われます。プロ野球選手が昨年の成績を元に年俸が決まるのと同じですね。つまり「年俸」と「成果主義」はリンクしているのです。そしてその成果を表すのが「人事考課制度」になるわけです。しかし、「人事考課」の本来の役割は、評価によって明らかになった個人の能力や業務内容を、上司がフィードバックし、次に繋げる『育成』のためにあるものです。決してお給料査定のためにあるのではありません。ここに企業の誤った認識があり、それが社員のモチベーション低下を招く引き金にもなります。

成果による賃金の支払いは、その成果自体がどのように判断されたものなのか信憑性に欠くこともあり、下がった時の社員のモチベーションは低くなるでしょう。また、お金で自分のモチベーションを上げる人は、より高い年俸を提示されれば迷わずそこに行くと思います。先ほどのプロ野球選手と同じで、年俸を高く提示した球団にはFAを行使したいものですよね。
このように、「人事考課制度」をお給料査定のために利用すると、将来、有能な人材が会社を去ることも考えられるのです。

「人事考課制度」を正しく使用する

この制度を利用することは、企業運営のためには必要なことですが、間違った認識のまま続けてしまっては意味がありませんよね。例えば、先ほど『人事考課は部下の育成のためにある』と書きましたが、中にはその評価結果を伝えるだけの面談で終わっている上司の方もいるようです。これでは本来の役割から逸れており部下の成長にも繋がりません。きちんとフィードバックしてこその「人事考課制度」です。

また、お給料に反映させなければならないと考える企業も多いようです。それで経営が上手く行っている企業は良いですが、社員のモチベーションに影響が出るようでしたら、「制度とお給料は別物」と考え、それを社員に浸透させることが重要になってきます。
一度決めた制度設計を作り直したり止めたりすることは、時に必要なことかもしれませんね。それに、お給料が高いからといって、営業利益が上がることはないようなので、「成果=賃金」の呪縛には囚われることのないようにしましょう。

まとめ

成果主義が企業や社員のためになるかと言えば、必ずしもそうではなく、逆に悪影響を被ることもあるようです。「成果=賃金」は社員のモチベーションを左右し、企業の業績にも関わってきます。「人事考課制度」の正しい利用を、今一度考える時に来ているようです。


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